BMW523d ブルーパフォーマンス Mスポーツ

公開 : 2013.11.23 18:23  更新 : 2017.05.29 18:00

当方、そんなことは気にもかけておらず(笑)。たしかに、いわれてみれば。いわれる前からわかっていたこと:必要なトルクは、「常にそこにある」。もっとほしかったら、それもたちどころにお望みのまま、思うまま。回転ロクに上がらずとも。タイトな、つまりルーズのハンタイのレスポンス。くー!! あまりに不満フリーでストレスフリーだったので、わざわざ回転計など見ようという気にならなかった次第。

ツァーン!! と回ってアップシフトして加速ショボン(ドライバーもショボン)、はガソリンエンジンにありがちなケース。これ、そのハンタイ(といいたいぐらい)。8段刻みの優秀なA/Tも効いているとはいえ、オミゴトなステディぶり、グイグイぶり。「だからディーゼル、キライなんですよ(笑)」(ホシガさん)。ええ?! これだからディーゼル、イイんじゃないですか。

車格相応に3シリーズよりも入念なNV対策ごしにそれでもわかる粒子感やや強め(6気筒比)のカリッと、またはゴリッと系の回転フィーリングは、ディーゼル好きにはタマラナイ。ビッと塩がきいた、締まったアジ。ていうか、無音?……と思ったらアイドリング停止。車名にいわく、ブルーパフォーマンス。

カルい上り勾配をモノともせず楽々200km/hとかを保って巡航できないとイヤな人は同エンジン搭載の3シリーズを選んだほうがいいかもしれない(またはいっそのこと6気筒ディーゼル搭載車=X5を)。でも、日本でフツーに走るぶんにはエンジンに対して車体がデカめ(重ため)のほうがマッチング的にベターで常に美味しい……はず。このエンジンの気持ちイイところをヨリ徹底的にしゃぶれるはず。アウトバーンの国でもそうじゃないかと思いますが。どうでしょう。

523dを借りて1000kmほど走った人によると、(おそらくハイウェイ主体で)燃費のことなど別に気にせず(でもって3人かもっと乗車もフツーにありながら)走ってリッター18とか20、フツーに出たらしい。ま、そのぐらいでないと同門の同排気量のガソリン版に対してメンツが立たなかろうテ。ディーゼルとしての。

仮に18km/ℓとして、タンク容量は70ℓ(ガソリン版と同じ)だから18×70でイコール1260km。リッター20だと1400km。「速い!!」とか「チカラあるわぁ!!」とか「静か!!」とか「運転しやす!!」を堪能しながら、かなりどこまでもいける。給油の手間なしに。すなわち、高リライアビリティ。

ホメられないというか気になったところのひとつは後席関係。装備表によると日本仕様5シリーズ全車に標準装備となっている“ISO FIXチャイルド・シート・アタッチメント(リヤ)”のせいで、肝心の骨盤のサポートがスッポリ抜けちゃっている。そこ以外はバッチリの環境であるだけに惜しい。カタログには“ISO FIXチャイルド・シート・アタッチメント(リヤ)”がついてない仕様の後席の写真が載っている。ならばゼヒひとつ、つけるかつけないかを選べるようにしてほしい。

(文・森 慶太 写真・花村英典)

BMW523d ブルーパフォーマンス Mスポーツ

価格 633.0万円
0-100km/h 8.1秒
最高速度 225km/h
燃費 20.8km/ℓ
CO₂排出量 127g/km
車両重量 1760kg
エンジン形式 直4ターボディーゼル, 1995cc
エンジン配置 フロント縦置き
駆動方式 後輪駆動
最高出力 184ps/4000rpm
最大最大トルク 38.7kg-m/1750-2750rpm
馬力荷重比 105ps/t
比出力 92.2ps/ℓ
圧縮比 16.5:1
変速機 8段A/T
全長 4920mm
全幅 1860mm
全高 1470mm
ホイールベース 2970mm
燃料タンク容量 70ℓ
荷室容量 520ℓ
サスペンション (前)ダブルウィッシュボーン
(後)インテグラルアーム
ブレーキ (前)φ330mmVディスク
(後)φ330mmVディスク
タイヤ 245/45R18

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