世界を変えたフォード 覚えておきたい偉大な名車 49選 前編

公開 : 2024.01.03 18:05

・世界有数の自動車メーカー、フォードが生んだ傑作を振り返る。
・モデルT、サンダーバード、マスタング、Fシリーズなど忘れられない名車がずらり。
・歴史を変える革新性、消費者の心を掴む製品力……。その魅力に迫る。

フォードの名車・傑作 振り返りシリーズ

フォード・モーター・カンパニーは、今から120年前の1903年6月16日に米ミシガン州デトロイトで設立された。

5年も経たないうちに大当たりを引き当て、歴史上最も重要な自動車を生み出した。現在も世界最大級のメーカーであり、どこにでもある乗用車や商用車を生産し、世界中の地域に根付いている。

フォードを支えた数々の名車を振り返る。
フォードを支えた数々の名車を振り返る。

これは、数々の偉大なモデルがなければ不可能だっただろう。「偉大」の定義は流動的だ。ここでは、すべての分野で優れていたとは言えないかもしれないが、少なくとも何らかの形でフォードを前進させたクルマという意味で使っている。販売開始順に49台を紹介しよう。

フォード・モデルA(1903年)

どのメーカーでも、最初の1台で失敗は許されない。成功すれば次のクルマを作るのに十分な売上を得ることができるが、ダメだったらそれまで。モデルA(A型)は短命に終わり、わずか1年しか生産されなかったが、少なくとも求められる要件は満たした。

モデルAは、キャデラックのモデルAとも非常によく似ている。キャデラックはヘンリー・フォード(1863-1947)が設立した2番目の会社であり、同氏が去った後に社名を変更したのだ。両車の主な違いは、キャデラックが1.6Lの単気筒エンジンを搭載しているのに対し、フォードは1.7Lの2気筒エンジンを搭載している点である。

フォード・モデルA(1903年)
フォード・モデルA(1903年)

フォード・モデルT(1908年)

技術の進歩と米国自動車産業の急成長が相まって、初期のフォードが長く販売されることはなかった。対照的に、モデルT(T型)は1908年から1927年までずっと販売され、最終的には発売当時よりもはるかに安くなった。

動く組立ラインで互換性のある部品を使用して作られた世界初の自動車であり、それによってフォードは膨大な数を生産することができた。正確な数字については文献により差があるが、少なくとも1500万台は作られたというのが一般的な見方だ。この記録は、モデルTが生産終了して45年後の1972年にフォルクスワーゲンビートルに破られるまで、世界一を誇っていた。

フォード・モデルT(1908年)
フォード・モデルT(1908年)

フォード・モデルA(1927年)

モデルTの次に登場したのは、第2世代のモデルAだった。従来よりもはるかに近代的な設計だったが、わずか4年で生産終了となった。

しかし、その短い期間に490万台近くが出荷され、ボディタイプも実に多種多様であった。モデルTは全体として大きな数字を叩き出したが、年間生産台数ではモデルAが軽々と上回る。21世紀の基準から見ても、フォードは驚異的なスピードでモデルAを生産したのである。

フォード・モデルA(1927年)
フォード・モデルA(1927年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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