クルマ漬けの毎日から

2022.04.11

1950年代初期の英国製グランプリカー「BRM P15 V16」のコンティニュエーション(復刻モデル)が登場。最近新たに製造されたこのマシンを、間近で見ることができました。

【クロプリー編集長コラム】1950年代のF1マシン「BRM」の復刻モデルを間近で!

もくじ

往年のマシン なぜ今蘇ったのか?
驚きのサスペンションとエンジン

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

往年のマシン なぜ今蘇ったのか?

ブリティッシュ・モーター・ミュージアム(イングランド中部のゲイドン)で開催された夜のイベントに出席した。

最近このミュージアムには、会員特典制度が設けられた。今回の催しはその1つで、私たち会員は懐かしいグランプリカー「BRM P15 V16」の完璧なコンティニュエーション(復刻モデル)を見ることができた。

このコンティニュエーションを手掛けたのはホール&ホールというエンジニアリングビジネスの会社で、サー・アルフレッド・オーエンの家族が製造を委託した。

サー・アルフレッド・オーエンは、BRM P15が名を馳せた1950年代初期にこのレーシングカーを支援していた。

驚きのサスペンションとエンジン

このコンティニュエーションのBRMはすでに公開され、またその走りも披露されている。

だが、今回のイベントでは、美しいコンポーネントのすべてを間近で見ることができた。

さらに、ホール&ホール代表のリック・ホールのわかりやすい解説を聞くこともできた。リックは1950年代にBRMのメカニックとして経験を積んだ人だ。

特に驚かされたのは、ポルシェの影響を受けたフロントサスペンション(フォルクスワーゲン・ビートルのサスペンションと原理はあまり違わない)。

また、極めて複雑なエンジンにも驚いた。このBRMには、実質的に2基の750cc/V8エンジンが一体化してマウントされている。

ダブルスーパーチャージャー付きのこのマシンは、1万2000rpmで600bhpを超える出力を生み出す。その驚きのサウンドは、YouTubeに沢山投稿されているので、まだ聞いたことのない人はぜひ聞いてみてほしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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