クルマ漬けの毎日から

2025.08.03

今年もイギリスで「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」が開催されました(7月10日~13日)。クロプリー編集長は3日間、取材に出かけました。

最高に素晴らしかった! 今年のグッドウッド【クロプリー編集長コラム】

もくじ

第1日目(午前):カイエンEVの助手席
第1日目(午後):ロードレーシングクラブ
第2日目:ポルシェ 911タルガ 40周年
第3日目:カイエン オフロードも優秀

第1日目(午前):カイエンEVの助手席

1、2年前に「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは勢いを失っている」と発言したことがあったかもしれない。もしそうならば、まったくの間違いだった。

フェスティバル・オブ・スピードは4日間開催されるが、今年はそのうちの3日間出かけ、長年このイベントを取材してきたなかで、最高に素晴らしい体験をした。

クロプリー編集長を助手席に乗せ、新型ポルシェ・カイエンEV(プロトタイプ)でヒルクライムに参加したガブリエラ・ジルコヴァ選手。

まず初日の午前中は、ポルシェのテストドライバーであり、GTレーサーでもある「クイック・ガビ」ことガブリエラ・ジルコヴァがドライブするカイエンの助手席に乗り、超高速のヒルクライムを体験。

このカイエンはまもなくデビューするEVバージョンで、ボディはまだカムフラージュされていた。ポルシェによれば、カイエンEVは1000bhpに相当する出力と、それに匹敵するトルクを持つという。

私を助手席に乗せ、ガビが運転するEVのカイエンは、0-100km加速が3秒を下回る驚愕のスタートを切った。単なる加速ではなく、まるで火山が噴火したかのような爆発的な勢いでヒルクライムをスタートしたのだ。

新型ポルシェ・カイエンEVのプロトタイプ。ガブリエラ・ジルコヴァ選手がドライブし、グッドウッドのヒルクライムでSUVクラスの新記録を樹立。

私がカイエンEVの助手席に座っていた時間はトータルで50秒くらいだった。その間にガビを2度ほどちらりと見て、彼女がこのヒルクライムを楽しんでいるかどうかを確認した。ガビは楽しんでいて、彼女と私の運転スキルの明らかな差を感じさせられた。

私が運転していたら、これほど瞬時に反応して、このクルマの最高のパフォーマンスを引き出せたとは思えなかったのだ。また同時に、ビジネスマンや家族が使うクルマに、これほどのポテンシャルが備わっている意味も考えさせられた。

とはいえスタート後、最初の名もなきダブルエイペックスの右コーナーを猛スピードで走り抜けた時は、その素晴らしさに感動した。このカイエンの見事なパフォーマンスに、ハンドリングが完全に適合していたことはまちがいない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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