[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

初試乗 ポルシェ911スピードスター 510psの4ℓ自然吸気 受け継がれる哲学

2019.05.27

100字サマリー

ポルシェの真骨頂、911が992型へとモデルチェンジを果たす2019年。しかし991型へも、最後の輝きが与えられました。65年前のヒーロー、ポルシェ356がベースのスパイダーが持っていた哲学が、現代に蘇ったといえる仕上がりを得ています。イタリア・サルディーニャ島での試乗記です。

もくじ

どんなクルマ?
初代が登場して65年目の新型
カレラ4Sカブリオレ+GT3以上
どんな感じ?
クラシックなインパネに918スパイダーのシート
いかにもな手動式超軽量ソフトトップ
夢に描いたような一糸乱れぬコーナリング
「買い」か?
スピードスターという哲学を具現化
スペック
ポルシェ911スピードスターのスペック

どんなクルマ?

初代が登場して65年目の新型

スピードスターというモデルが登場してから65年が過ぎる。いまでもポルシェは、そのスピードスターの理想形を追い求めているのだろう。

軽さが売りの1954年のスピードスターは、70psの水平対向4気筒を搭載したポルシェ356 1500がベース。フロントウインドウは取り外しが可能で、走りへの純粋性を求めるアメリカのドライバーから、羨望を集めることになった。いま運転しても、たちまち恋に落ちるに違いない。操作のすべてにおいて、現代のクルマ以上に機械的な精度を感じられるだけでなく、クルマ全体から放たれるピュアな脈動に、惹き込まれてしまうはず。

以降、モデルチェンジの度に価格は上昇。車重も増え続け、スピードスターの高級度合いも増していった。中には、911カレラ・カブリオレをベースにしながら、インテリア意外はすべて異なるハードコアな964RSというクルマも存在した。またカレラGTSに手を加え、ポルシェだけに許された、いってしまえば派生モデル・ビジネスを後押しするためのクルマもあった。

低いサイドプロポーションというシルエットは共通していても、そこに同一のフィロソフィーが存在していなかったことも事実。しかし気を落とすのはまだ早い。点と点を結びつけるように、ロードゴーイング・レーサーをルーツにしたという、初代のスピードスターが持っていたフィロソフィーは、6代目に吹き込まれたようだ。

これみよがしなことはしない、という伝統を守ってきたポルシェだが、今回は少し違う。スピードスターのボディは大部分がカーボンファイバー製となり、その内側には991バージョン2と呼べるGT3が隠されている。356スピードスターのように、ロードゴーイング・レーサーの領域へ戻ってきた、今日での証でもある。

 
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