グッドウッドのコースに帰郷 オースチン・ヒーレー100 明かされた歴史 前編

2019.11.02

サマリー

巡り合わせでレストアを担当したオースチン・ヒーレー100。調べていくと、個人としては初めてグッドウッド・サーキットを戦った歴史的なクルマであることが判明。そして2019年、グッドウッドで見事な復帰を果たしました。

もくじ

偶然出会ったオースチン・ヒーレー100S
レース参戦の記録を持つ重要なクルマ
当初からモータースポーツが視野にあった
出荷直後からレースに出ていた個体

偶然出会ったオースチン・ヒーレー100S

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:James Mann (ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
オースチン・ヒーレーがグッドウッド・サーキットのシケインを走り抜ける光景は、英国ではさほど珍しいものではない。1998年のグッドウッド・リバイバル開催以来、その勇姿は毎年見られるといっていい。

だがクラシックカーの専門店を営むビル・ロールズと、息子のチャーリーとジャックにとっては、2019年は5年間の集大成となるイベントになった。図書館で調査を重ね、1700時間以上の時間を掛けて修復を続け、グッドウッドの会場で蘇らせた。この努力がなければ、この個体は朽ち果てていたかもしれない。

オースチン・ヒーレー100
オースチン・ヒーレー100

数え切れないクルマを長年に渡って直してきたロールズ。ライレー・インプやシンガー・ル・マンなどのビンテージモデルも手掛けたが、オースチン・ヒーレーほど強く心を響かせたものはなかった。過去に直した希少な100Mからは、熱い想いがこみ上げてきたという。

情熱的なエンスージャストでもある彼は、必然的にヒーレーの頂点に位置する100Sへの探究心を刺激した。そして運命だったかのように、オースチン・ヒーレー100Sがビルの店へとやってきた。

「以前から薦めれていたので、100Sでビルの店を訪ねようと運転していたのです。ところがガス欠に。電話でトラブルを伝えると5分で迎えに来てくれました」 100Sを手掛けたいという気持ちが素直に湧いた。

結局100Sではなくなったものの、ビルはオーナーから「S」ではない、初期型のヒーレー100のレストアを依頼される。クルマのオーナーは匿名希望なのだが、知られたくない過去があるらしい。

 
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