日本の自動車オークション、22台が出品 高額落札の人気車/流札のイギリス車 BHオークション

公開 : 2019.09.24 06:20  更新 : 2021.10.11 09:25

9月8日に東京で自動車オークションが開催されました。8800万円の値がついた2300GT。7040万円の037ラリー。22台の競売結果は?

東京で2度目の開催

text&photo: Kazuhide Ueno(上野和秀)

日本で精力的にコレクターズカー・オークションを開くBHオークション。

6月に開催された東京オークションに続き、同じ天王洲アイルにある寺田倉庫を舞台に、9月8日に秋季版が行われた。

9月8日。BHオークションが天王洲アイルの寺田倉庫を舞台に開かれた。
9月8日。BHオークションが天王洲アイルの寺田倉庫を舞台に開かれた。

寺田倉庫でのオークションはスペースの関係から出品台数が限られるが、都心からのアクセスの良さが魅力だ。

今回も選りすぐりの様々なカテゴリーの22台が用意された。目玉となったのは試作だけに終わり量産されなかった2.3Lエンジンを積むトヨタ2000GT MF12、それもシャシーナンバーが1番の個体。

さらに、最も美しいグループBカーとして人気の高いランチア037ラリー・ストラダーレのシャシーナンバー1番車が出品された。このほかポルシェの小特集が組まれ、1976年ポルシェ911ターボから2004年カレラGTまでの8台が用意された。

最高落札額 トヨタ2000GT

6月のオークションに比べて一般的なモデルが多かったことから、今回の入札は一部のアイテム車に集中。22台中10台が落札されるに留まった。

ここでの最高落札額を記録したのは、幻の存在といえるトヨタ2000GT MF12型。マニアの間で「トヨタ2300GT」と呼ばれる試作車は、8800万円で決着がついた。

最高落札額は、幻の「トヨタ2300GT」と呼ばれる試作車、8800万円で落札。
最高落札額は、幻の「トヨタ2300GT」と呼ばれる試作車、8800万円で落札。

欧米のオークションにMF10 2000GTが時折姿を見せ、ピーク時は邦貨で1億円を超える額で落札されていたが、最近は5000~6000万円に落ちている。

このMF12型は量産試作として9台が作られたといわれ、メガウェブと北米トヨタに現存するだけという貴重さに加え、シャシーナンバーが1という初号機ということから高額で落札された。レア度満点なクルマだけに、数年前のバブル相場のピーク時であれば2億円近くまで達したことだろう。

もう1台の注目車であるランチア037ラリー・ストラダーレは、こちらもシャシーナンバーが1の貴重な存在で、18年かけて修復されたことが評価されて7040万円まで値を上げた。

ポルシェ 8台中5台落札

このほか人気を集めたのは930最終型1989年911ターボ。走行2万kmの「ミツワ」もので、素晴らしいコンディションに保たれていることから2453万円で落札された。

希少なポルシェ964カレラRS NGT M003クラブスポーツは、いくつかノンオリジナルの部分があったにもかかわらず2420万円で決着。

ポルシェの小特集が組まれ、1976年ポルシェ911ターボから2004年カレラGTまでの8台を用意。
ポルシェの小特集が組まれ、1976年ポルシェ911ターボから2004年カレラGTまでの8台を用意。

クルマ趣味の王道といえるイギリス車については、ミニ・カントリーマンとロータスエラン、3イレブンが出品されたが、どれも最低落札額まで達せず流れてしまった。

コレクターズカー・オークションでは世界的にイギリス車が弱くなっていることを立証してしまったようだ。同様に普通のモデルが多かったメルセデス・ベンツも流札に終わっている。

まだ日本でなじみが薄いコレクターズカー・オークションだが、BHオークションではこの後も様々な場所で積極的に開催してゆくという。日本のクルマ趣味界に定着することを期待したい。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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