【最も美しいスポーツに乗る】ジャガーEタイプ、注意すべきポイントは? 英国版クラシック・ガイド

公開 : 2020.02.23 07:20  更新 : 2020.12.08 10:55

ジャガーEタイプ中古車 購入時の注意点

すべてのEタイプは、例え2+2のAT車であっても、現代水準で見ても速い部類に入る。路上に出れば、活気のある引き締まった走りが味わえる。特に走っていてふらつきや違和感がない限り、改良を施す必要はない。調整し直すか、消耗した部品を交換するだけで済む。価格も手頃だ。

もしボディの状態の優れた個体を見つけたら、ボディだけでなくメカニカルな部分もオリジナルかどうかを確認する。Eタイプは年式を問わず部品の互換性が高く、アップグレードも一般的。

ジャガーEタイプ・シリーズ1/1 1/2/2(1961〜1971年)
ジャガーEタイプ・シリーズ1/1 1/2/2(1961〜1971年)

レースに出場するなら別だが、エンジンは基本的にチューニングの必要はない。エンジンを始動させたら、ピーキーなところがないか、燃費が異常に悪くないかを確認しておくと良い。

冷却系も正常であるかは重要。オーバーヒートの形跡がないか、エンジンオイルにクーラントが混ざっていないかも確認ポイント。エンジンをリビルトする場合、英国でも6000ポンド(86万円)程は必要になる。

5速マニュアル・トランスミッションへの交換も人気のあるアップグレード。すべてのギアに変速でき、摩耗していないか調べたい。ゲトラグ製ミッションはリビルトが難しい。レメック製のものは、大抵が新しい。一部XKエンジンにうまく適合しない場合もある。

オリジナルのトランスミッションは、ちゃんとリビルトすれば調子は良いはず。モス仕様には1速にシンクロがない。基本的に、フルシンクロのジャガー製は丈夫。2+2に稀に載っているボルグワーナー製のATは、スムーズだが摩耗することがある。

高速巡航を穏やかな回転数で叶えるため、5速マニュアルではなく、ハイレシオのデフを組むという手もある。リミテッド・スリップデフかどうかも調べておきたい。

不具合を起こしやすいポイント

ボディの腐食

将来性を考えると、充分に確認しておきたい。フロアやサイドシル、フロントフレーム、バルクヘッド、リアのアームマウント、ジャッキアップポイント、トランクのフロアやドアの下側などは、よくサビが出るポイント。

事故歴と修理痕

フロントフレーム周りなど、修理痕がないか確認する。正しくない位置でのジャッキアップでもダメージが出る。

エンジン

ジャガーEタイプ・シリーズ1/1 1/2/2(1961〜1971年)
ジャガーEタイプ・シリーズ1/1 1/2/2(1961〜1971年)

トリプルSUキャブレターは6気筒と完璧な組合せ。北米仕様のストロンバーグ製マニフォールドは高価。ウェーバーのものは安い。

ツインカム直列6気筒エンジンはハードな使用にも耐えるが、頻繁なオイル交換は不可欠。リアクランク・シールからオイル漏れがしやすい。ガスケットが熱で変形していないか、タイミングギアやカムが音を立てていないかも確認しておく。

フロントフレーム

高張力鋼を用いたレイノルズ製のチューブ(パイプ)が錆びることがある。本来は溶接ではなく、ロウ付け。オリジナルなら、フレーム番号がダンパーマウント上面に刻印されている。

ボディパネルの組み合わせ

Eタイプは手作業で仕上げられている。鉛を用いた接合部分は、不自然な厚みがなければ問題ない。多くのレストアでは、ボディパネルの隙間を美しく保つために、部品によって異なるパネルの調整に悩む。

サスペンションとブレーキ

フロント・サスペンションのボールジョイントは、摩耗しやすいが調整が可能。ブレーキは4.2Lの方が扱いやすく安価。3.8Lのブレーキは複雑だが、正しく設定が決まれば強力。

サブフレームやブレーキディスクのサビ、ダンパーやハブの劣化、ハンドブレーキの固着なども確認ポイント。走行性に関わる。

シート

3.8Lのものと比べ、4.2Lのシートは良くなっている。裏技的にマツダロードスターのシートが付けられるが、オリジナルに越したことはない。

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