電気になってもライバルはあのブランド? エレトレからロータスの戦略を探る

公開 : 2024.01.12 19:06

・オートサロンにて来日 ロータスのアジア地域のキーマンに聞く
・5ドアEVのエレトレが、今までのロータスにない役割を担うと期待
・将来的な2シータースポーツEVの計画も認める

ブランニュー・ロータスの今

東京オートサロン2024の会場にロータスは伝統的な2シーター・スポーツモデルのエミーラと、話題のハイパーEVにして待望の5ドア・モデルであるエレトレを持ち込んだ。

現在日本市場でデリバリーされているエミーラはトヨタベースのV6エンジン搭載車のみとなっている。しかし今後はAMG製の直4ターボの上陸も予定されており、チョイスの幅が広がることになる。

東京オートサロン2024に合わせ来日した、ロータス・カーズのラムジ・アタット氏。
東京オートサロン2024に合わせ来日した、ロータス・カーズのラムジ・アタット氏。    AUTOCAR JAPAN

一方エレトレは現在4台のテスト車が上陸を果たし、CHAdeMO規格の様々な充電設備でテストを行っている最中という。

日本におけるエレトレの注文はすでにはじまっており、カラーリングはロータスのイメージカラーであるイエローやグリーンよりもグレー系に人気が集まっているらしい。

また車両生産のスケジュールに関しては少々遅れ気味ということだが、それはエミーラ、エレトレともにブランニューであることを考えれば、珍しいことではないのかもしれない。

ファミリーで楽しめるロータスの可能性

東京オートサロン2024に合わせ、ロータス・カーズ・アジアパシフィックおよび中東地域のマーケティング&広報マネージャーを務めるラムジ・アタット氏も来日しており、話を聞くことができた。やはり話題の中心となるのはエレトレだ。

「他のアジアパシフィックの市場よりも日本におけるEVの普及が遅れ気味であることは承知しています。そこは今後徐々に改善されていくと思っています。エレトレはファミリーで楽しめるクルマという点で、これまでのロータスとは違う立ち位置にいるので、我々としてはそこにも期待しています」

ロータス・エレトレ。ラムジ氏は「ファミリーで楽しめるクルマ」として期待を寄せる。
ロータス・エレトレ。ラムジ氏は「ファミリーで楽しめるクルマ」として期待を寄せる。    ロータス・カーズ

ラムジ氏の担当している地域でエレトレの普及が進んでいるのはどの国なのか? そして最大のライバルとなるのはどのクルマなのだろうか?

「デリバリーされたタイミングが違うのでフェアに比べることはできませんが、マレーシア、韓国、オーストラリアといった国々で好調です。ライバルは最も意識しているのはポルシェタイカンです。スポーツカーでも、EVでも同じということですね」

多国籍、電気とガソリンで拡大するロータス

既にセダン・タイプの新型EVモデル、エメヤが発表されていますが、それ以降の計画を教えていただけますか?
「エレトレとエメヤはフルサイズで、それ以降はコンパクトな方向のEVに移行します。ロータスらしい2シーターのEVスポーツカーも計画していますが、全てのEVモデルの生産は中国です」

「それでもデザインはコベントリー(イギリス)、エンジニアリングはフランクフルト(ドイツ)、サプライヤーに関してもモーターがドイツのZF製だったり様々なので多国籍車ということになるでしょう。またガソリンモデルのエミーラに関してもまだデビューしたばかりという認識です。これから長いモデルライフになっていくでしょう」

ロータス・エミーラ。ラムジ氏は「これから長いモデルライフになっていくでしょう」と語る。
ロータス・エミーラ。ラムジ氏は「これから長いモデルライフになっていくでしょう」と語る。    小川亮輔

近年かなり大きな変革を経て、新たなブランド・イメージを確立しつつあるロータス。日本市場においても、今年はより具体的な進化のカタチが見られるに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影 / 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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