ラゴンダ復活計画「完全に死んだ」 英アストン マーティン 高級EVブランド立ち上げ中止

公開 : 2024.03.01 06:25

アストン マーティンが計画していた高級EVブランド「ラゴンダ」の立ち上げは中止となった。スポーツカーを中心とする従来の製品ラインナップに注力する。

高級EV専用ブランド 立ち上げる計画は「皆無」

英国の自動車メーカーであるアストン マーティンは、新たな高級EVブランド「ラゴンダ」を立ち上げる計画について「完全に終了した」と明らかにした。

同社は2018年、富裕層をターゲットとするラゴンダのコンセプトカーを初公開した。従来のスポーツカーとは異なり、「ハイテク起業家や、テスラに乗るような人たち」に向けた快適性重視のセダンとSUVが提案されていた。

アストン マーティンが2019年に公開したコンセプトカー「ラゴンダ・オールテレーン」
アストン マーティンが2019年に公開したコンセプトカー「ラゴンダ・オールテレーン」

2020年のCEO交代後、ラゴンダのプロジェクトは沈黙した。そして現在、ローレンス・ストロール会長は、新たな高級車市場に参入する気はないと語っている。

「アストン マーティンのスポーツカーとSUVには十分な高級感がある。性能の劣る高級車を発売することは考えていない」とストロール会長。

同氏によると、「特にパーソナライゼーションのレベルを高めている」こともあり、ラゴンダが狙っていた高級車市場に対応できているという。

アストン マーティンは高度なオーダーメイドサービス「Q by アストン マーティン」を世界各地で展開し、幅広いオプション設定により顧客の好みに合わせた車両を仕立てている。

ラゴンダはもともと1906年に英国で設立された自動車メーカーであり、1947年に現在のアストン マーティンの傘下に入った。2018年、前CEOのアンディ・パーマー氏の下で高級EV専用ブランドとして復活させる計画が示された。

この「前経営陣」によって練り上げられたラゴンダ復活プロジェクトについて、ストロール会長は「完全に死んでおり、当社のEV計画とはまったく関係がない」と認めた。

アストン マーティンは2026年発売予定のグランドツアラーを皮切りに、さまざまなEVを導入する計画だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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