更新!「上級ワンボックス」の定番 メルセデス・ベンツVクラス V 300dへ試乗 目移りしない魅力

公開 : 2024.03.17 19:05

上級ワンボックスで定評を築いてきたメルセデスのVクラス フェイスリフトでインテリアを強化 走行時の上質さではT7マルチバンが勝る? 英国編集部が評価

上級ワンボックスで定評を築いたVクラス

自身のライフスタイルを広げるクルマは、SUVではなく、ワンボックスカーだと主張する人もいる。特にメルセデス・ベンツVクラスは、唸るような実用性と豪華さが融合し、他に目移りしないというユーザーが少なくない。

近年の欧州は、ワンボックスカーの競争も激しい。フォルクスワーゲンT7マルチバンにフォード・トルネオ・カスタムなど、身近なモデルも選べる一方、新しいレクサスLMはBMW 7シリーズが競合だと主張されている。

メルセデス・ベンツVクラス V 300d ロング(欧州仕様)
メルセデス・ベンツVクラス V 300d ロング(欧州仕様)

とはいえ、上級モデルで定評を築いてきたのは、Vクラス。現行の3代目は2014年に発表されているが、競争力を維持するべく、フェイスリフトが施された。

2024年仕様の見た目の変化は、大きくなったフロントグリルとスリムになったヘッドライト、造形が豊かになったフロントバンパーなど。サイドビューに、大きな違いはない。ボディ色の展開は、ヴィンテージ・ブルーやソーダライト・ブルーなど多彩だ。

ホイールベースは、標準ボディとロングが3200mmで、エクストラロングは3430mm。後者の場合、7シーターから8シーターへ1席増やせる。

パワートレインは、OM654型と呼ばれる2.0Lターボディーゼル。英国仕様の場合、V 220dの163psとV 300dの236psという2段階の最高出力が設定される。後輪駆動のみで、エアサスペンションをオプションで組める。

マイルド・ハイブリッドの2.0Lガソリンターボも、2024年後半に追加予定。洗練性を追求するなら、バッテリーEV版のEQVの他にも選択肢が増える。

メルセデスらしい内装 3列目も広々

フェイスリフトでの変化が大きいのは、ボディの内側。内装は上質でアンビエントライトも備わり、メルセデス・ベンツに乗っていることを実感させる。運転席と助手席の間に、広大な空間があることを除けば。

ダッシュボードは、ウッド調やメタル調の化粧トリムで飾られる。大きなカウルで覆われたメーターパネルと、高い位置にあったタッチモニターは姿を消し、最新世代のMBUXシステムが稼働するワイドなモニターパネルへ置き換えられた。

メルセデス・ベンツVクラス V 300d ロング(欧州仕様)
メルセデス・ベンツVクラス V 300d ロング(欧州仕様)

ダッシュボード中央からは、手前側にコンソールが伸び、タッチパッドが載っている。その上部にはエアコンのスイッチ類も並び、扱いやすい。ステアリングホイール上にも、さほど正確に反応はしないものの、タッチタイプのコントローラーが備わる。

Vクラスの本領といえるのが、2列目以降。3列目も含めて、乗員空間は広々。シートは、フロアに伸びるレールの上をスライドするため、個別に広さを調整できる。2列目を後ろ向きに回転させることも簡単だ。

荷室は、ロングボディを選べば余裕があるものの、通常ボディでは限定的。シートを前方へスライドし、拡大はできる。

最後列でも、内装のプレミアム感は変わらない。ベージュ・レザーでコーディネートすれば、高級感はさらに増す。オプションで、高音質なサウンドシステムや、大面積のガラスルーフを指定することもできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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