Sクラスへ迫る豪華内装 メルセデス・ベンツ Vクラス 300dへ試乗 加速活発なVIPシャトル

公開 : 2025.02.07 19:05

上級ワンボックスのご本家、Vクラス 2024年に大アップデート Sクラスへ迫る内装で特等席は2列目 背の高い堂々とした佇まい 驚くほど活発に加速する大きなボディ 英編集部が評価

Sクラスへ迫る上質なインテリア

一時期、欧州市場ではワンボックス・モデルは絶滅危惧にあった。広大な車内空間が圧倒的な実用性を提供するカテゴリーでありながら、他を寄せ付けないほどのSUV人気で淘汰されつつあった。

ところが、最近は違う。子沢山な家庭向けのファミリーカーから、ターゲットは変化した。従来的なリムジン以上に多くの人数を運べる、富裕層向けや大企業向けのビジネスクラス・ワゴンとして、復調しつつある。

メルセデス・ベンツ Vクラス V 300d エクスクルーシブ・エクストラロング(英国仕様)
メルセデス・ベンツ Vクラス V 300d エクスクルーシブ・エクストラロング(英国仕様)

この流れを牽引しているモデルの1つが、レクサスLM。豪華な車内へ、思わず身を委ねたくなる。民主的なフォード・トルネオ・カスタムにも、ふんだんな追加装備が用意され、上等に仕立てることが可能になっている。

だとしても、この分野で先人を切っていたのは、メルセデス・ベンツのVクラスだ。内装職人に喜ばれるような、巨大な荷室を背負った商用車をベースとしながら、上質なインテリアでSクラスへ迫る雰囲気を醸し出してきた。

現行は、W447型を名乗る3代目。2024年に大幅なアップデートを受けており、内装は更に水準を高め、高度なデジタル技術も実装されている。高級感を増した最新仕様を、グレートブリテン島の公道で味わってみよう。

背の高い堂々とした佇まい 特等席は2列目

大きなフロントグリルの存在感は、ロンドンの市街地でもてきめん。小さくないボンネットの先端には、スリーポイントスターが輝く。背の高いワンボックス・ボディと相まって、堂々とした佇まいにある。

とはいえ、大きなガラスがはめられ、クロームメッキ・トリムやダイヤモンドカット・アルミホイールで着飾っても、ワンボックスはワンボックス。少し離れると、欧州では商用車のイメージと若干重なってしまう。

メルセデス・ベンツ Vクラス V 300d エクスクルーシブ・エクストラロング(英国仕様)
メルセデス・ベンツ Vクラス V 300d エクスクルーシブ・エクストラロング(英国仕様)

スライドドアを開けば、フラッグシップモデルと呼ぶのにふさわしい空間が出現する。通常より230mm長いロングホイールベース仕様の試乗車には、ラグジュアリーシート・パッケージが追加されており、なお一層といえた。

これは、英国では1万ポンド(約195万円)のオプション。標準のVクラスは7座レイアウトだが、独立シートで構成される、2+2+2の6座レイアウトになる。

特等席は2列目。シートにはヒーターとベンチレーション、マッサージ機能が内蔵され、USBポートとスマートフォンの収納スペースが用意される。リクライニングはもちろん電動。フットレストを伸ばし、両足を前方へ投げ出して休むこともできる。

1列目へ移動すると、ダッシュボード上にはインフォテインメント用とメーター用が連なった、ワイドなモニターパネルが載っている。内装の素材は、運転席側でもメルセデス・ベンツのサルーンと遜色ない。

運転姿勢は、背中が起き気味の商用車ライク。ステアリングホイールの角度は、サルーンよりだいぶ寝かされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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