スバル・クロストレック 詳細データテスト 手頃なサイズに優れた悪路走破性 パワー不足は否めない

公開 : 2024.03.23 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

スバルによれば、クロストレックのチューニングにあたり、医療関係者にアドバイスを受け、肉体的なストレスや疲労の原因となる騒音や振動の軽減を図ったそうだ。結果、シートは先代にあたるXVより頭部の揺れを44%抑えた。また、ツーリング時の洗練性を高めるべく、特定の周波数域の音圧を最大50%低減している。

路上では、それらの改善を実感できないかもしれない。というのも、このクルマのキャビンは静寂に包まれているわけでも、乗り心地がゆりかごのようにスムースなわけでもないからだ。それでも、乗り心地はまずまず安定した、落ち着いて穏やかなもの。車高を上げたハッチバックに予想するようなピッチやトス、波打ちはきっちり回避している。

快適性を追求しづらいオフロード向けセッティングではあるが、乗り心地も静粛性もまずまずのレベルに仕上がっている。
快適性を追求しづらいオフロード向けセッティングではあるが、乗り心地も静粛性もまずまずのレベルに仕上がっている。    JACK HARRISON

A級道路でもB級道路でも、ほとんどの入力はキャビンを騒がすことなく吸収するしなやかさも持つ。マッド&スノータイヤは、舗装路専用タイヤほどセカンダリーライドをおとなしいものにしてはくれないが、それでも洗練度を大きく引き下げてはいない。

80km/h巡航時に62dBAという室内騒音は、競合モデルを凌いでいる。フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSIやホンダHR−V、メルセデス・ベンツA200 AMGラインは、いずれも64dBAだった。

当然ながら、すべてはCVTを用いたパワートレインを低い回転で使ってこそ成り立つ話で、常にそれを実現できるわけではない。それでもスバルは、荒削りになりそうなクルマを、うまくしつけられたものに仕上げている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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