メルセデス・ベンツEQS 詳細データテスト 望外の操縦性 SUVよりMPV的 シートの操作に不満 

公開 : 2024.03.30 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

バッテリー拡大後の最廉価モデルは、12万9470ポンド(約2473万円)の450AMGラインプレミアムプラスで、テストしたビジネスクラスは14万3795ポンド(約2746万円)。これに1万ポンド(約191万円)を加えると、580へアップグレードできる。ボディカラーやセンターコンソールのウッドパネルの種類を除けば、オプションはとくに用意されていない。

かなり高価なクルマだが、7座の高級電動SUVというと競合モデルはほとんどない。3列目シートを諦められるなら、同等かそれ以上に豪華なBMW iX xドライブ50が2万ポンド(約382万円)ほど安く手に入る。ディーゼルのX7ならもっと安価だ。

残価率は、BMW iXを凌ぐという予想。キアEV9や、ディーゼルのX7と同等だとみられている。
残価率は、BMW iXを凌ぐという予想。キアEV9や、ディーゼルのX7と同等だとみられている。

前面投影面積が比較的大きいパワフルなクルマとしては、今回のテスト車はまずまず効率的で、改良版はその点がさらに改善されている。気温10℃ほどでの性能テストを含む1週間の平均電費は3.9km/kWhで、航続距離は499kmとなる計算。118kWhバッテリー仕様なら、542kmまで伸びることになる。

急速充電は最高200kWという触れ込みだが、テスト車はいくつかの充電スタンドで試してもその数値に届かなかった。急速充電器をナビの目的地にすると、バッテリーの充電準備を開始し、予測される最速値を表示する。とはいえテスト車は、充電準備の開始は信頼性が高かったものの、予測充電速度が上がることはなかった。また、手動でバッテリーを充電準備させる手段は用意されていない。

にもかかわらず、充電性能はまずまずだった。最高値は166kWに留まったが、充電量が80%を超えるまで100kWを下回ることはなかった。バッテリー保証は、10年もしくは25万km経過時で新品の70%だという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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