三菱トライトンGSR ラリー場外でもトヨタ・ハイラックスに真っ向勝負へ 6代目の新型に試乗

公開 : 2024.03.31 20:05

欲しい人なら買い。気になるのか車輛価格?

一般道で試してみても、新型トライトンは大柄でタフな見た目よりいくぶんソフトで洗練された乗り味を示すクルマだった。AWDの走行性能に関しても、トラックというよりもクロカンSUV的に煮詰められている。

とはいえいくら性能的な部分がモダンになっていても、結局のところこのタイプのクルマは欲しいかそうではないかの二択であり、欲しい人にとってはアバタもエクボとして感じられるはず。

三菱トライトンGSR
三菱トライトンGSR

ちなみに最小回転半径は6.2mとなっているが、これはそこそこ優秀な数値だし、実際に取り回しもしやすかった。三菱e-アシストに代表される運転支援機能に関してもフル装備となっている点も評価できる。

サイズ感さえ許せば、使い勝手はいいし、荷台の活用法に関しても豊富なオプションとアイデアがあるようなので、アウトドア・スポーツに興じるような人にとっては優秀なアシグルマとなってくれる可能性が十分にある。

ひとつだけ気になったのは540万1000円(GSR)という車両価格である。実車に触れ、その完成度を確かめたあとだと適正に思えるのだが、ハイラックスのそれを見てしまうと「エッ」となる。

あちらは賑々しい特別仕様車でも477万2000円に抑えられている。もちろん細かな装備などに違いがあるのだろうけれど、カスタマーは当然のように2台を見比べてから決断するはず。

新型トライトンはかつてのパジェロのように、三菱車のワイルドなイメージを牽引する1台になれるのか? マーケットの反応が大いに気になるところだ。

試乗車のスペック

価格:540万1000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:5360×1930×1815mm
燃料消費率:11.3km/L(WLTC)
駆動方式:4WD
車両重量:2140kg
パワートレイン:4気筒DOHC2439cc+ターボ
使用燃料:軽油
最高出力:204ps/3500rpm
最大トルク:47.9kg-m/1500-2750rpm
ギアボックス:6速オートマティック
タイヤサイズ:265/60R18(フロント)265/60R18(リア)

三菱トライトンGSR
三菱トライトンGSR

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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