公道でゴーカート気分! ミニ・ハッチバック(初代) CVTの不調にご注意 UK中古車ガイド

公開 : 2024.03.31 19:05

発売から四半世紀が過ぎようとしている、新生ミニ 多くのファンを生んだクラシカルなデザイン 安価な例の整備状態やCVTの不調にご注意 英編集部が魅力を再確認

多くのファンを生んだクラシカルなデザイン

BMW傘下の新ブランドとして、3ドアのミニが発売されたのは2001年。特徴的なボディをまとった小さなハッチバックは、登場から四半世紀が過ぎようとしている。R50型と呼ばれる初代も、ネオクラシックへ仲間入りしたようだ。

ダッシュボード中央の大きなスピードメーターに、縦に長いテールライト、ルーフサイドの雨樋。オリジナルのモーリス・ミニ・マイナーを彷彿とさせるデザインは、多くのファンを生み出した。

ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)
ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)

AUTOCARの試乗記を読み返してみると、乗り心地や操縦性、製造品質は、高い期待へ応えるものだとまとめている。他方、狭い後部座席や荷室などのパッケージング、エンジンの仕上がりには注文を付けている。

ディーゼルを除いて、初代の短いボンネットに収まったのは、クライスラーと共同開発された1.6L直列4気筒ガソリン。「トライテック」ユニットだ。

現在の英国市場を観察してみると、2006年に追加されたジョン・クーパー・ワークス(JCW)GPはかなり高額で売買されている。中には2万ポンド(約378万円)を超える例もあるほど。正直なところ、小さな中古車には躊躇してしまう金額だろう。

われわれが注目したいのは、英国仕様では自然吸気で115psのクーパーと、スーパーチャージャーで過給される165psのクーパーS。エントリーグレードのワンも魅力的で、91psの自然吸気が載っていた。

クーパーJCWは、初期型で131ps、フェイスリフト後は172psへ上昇。クーパーS JCWは当初199psだったが、後期型では213psへ強化された。

安価な例の整備状態やCVTの不調にご注意

欧州市場には、ディーゼルターボのワンDも用意された。排気量は1.4Lで、最高出力は当初75psだったが、2005年に89psへ強化されている。

2004年に追加された、ソフトトップを背負ったコンバーチブルも魅力的。走行中のボディのきしみや、ソフトトップのガタツキ、滑らかな開閉などを確認したい。特別仕様も複数設定された。

ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)
ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)

中古車価格はお手頃で、走行距離の長いワンやクーパーなら、600ポンド(約11万円)という例も。距離の浅いクーパーSでも、1万5000ポンド(約286万円)で充分狙える。

英国での中心の価格帯は、1500ポンド(約29万円)から5000ポンド(約94万円)の間。高いほど、状態の良い例を手に入れられると考えたい。特に安価な例は、前オーナーの愛情が充分とはいえず、満足のいく整備を受けていない可能性がある。

初代ミニの見た目は、2006年まで大きな違いはない。フェイスリフトで得た変化は、フロントとリア、インテリアの僅かな部分に過ぎなかった。だが、スーパーチャージャーやギア比の見直しなど、クーパーSでは重要なメカニズムの更新を受けている。

トランスミッションは、ワンとクーパーのマニュアルは5速。2005年以降は、堅牢なゲトラグ社製へ置き換わっている。クーパーSには、当初から同社製の6速が載っていた。

シフトパドルで4速ATのように振る舞うCVTも選べたが、信頼性は高くなかった。ATへこだわるなら、2005年以降のクーパーSに採用された、BMW由来の6速ステップトロニック・ユニットを探したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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