60年代風スポーツカーを作っていた会社が経営破綻 7000万円超の「マスタングEV」1台も納車されず

公開 : 2024.07.12 06:05

初代フォード・マスタング・ファストバックの「EV版」を独自生産していた英国のチャージ・カーズ社が経営破綻に追い込まれた。まだ納車が始まる前のことだった。

本家からライセンス供与 レトロなEVを生産

初代フォードマスタングの現代的なEVモデルを生産していた英国のチャージ・カーズ(Charge Cars)社が、納車開始前に経営破綻した。

同社はフォードからライセンスを受け、1967年型マスタングの設計を基に電動スポーツカー「’67」を開発し、35万ポンド(約7180万円)で販売していた。

チャージ・カーズ社が販売しているEV「'67」。フォードから初代マスタングのデザインライセンスを供与されていた。
チャージ・カーズ社が販売しているEV「'67」。フォードから初代マスタングのデザインライセンスを供与されていた。

しかし、バッテリー、モーター、制御システムを共有する予定だった兄弟会社アライバル(Arrival)社が2月に経営破綻し、そのあおりを受けた。

チャージ・カーズ社は声明の中で、「この困難な時期を乗り切るためにたゆまぬ努力を続けている。当社は、これが『’67』にとって終わりではないと心から信じており、軌道に戻るためにあらゆる手段を模索している」と述べた。

プロジェクトに近い関係者の1人はAUTOCARの取材に対し、’67は生産可能であり、間もなく納車が開始される見込みだと語っている。また、かなりの受注を抱えているという。

エンジニアからプロジェクト・マネージャーまで、約50人の従業員は全員解雇されると見られている。従業員らはSNSへの投稿で、会社の崩壊は「荒波」によるものであり、「誰のせいでもない」と主張した。

同じく英国を本拠地とするスーパーカーメーカーのマクラーレンは、チャージ・カーズ社の従業員に向けた求人ページを開設している。

AUTOCARは、同社とその破産管財人であるコーク・ガリー社にさらなる情報提供を求めている。

2023年10月、チャージ・カーズ社はフォードから1967年型マスタング・ファストバックの「デザイン」を使用する公式ライセンスを付与された。これにより、オリジナルのシルエットに忠実なボディパネルなどを自社生産することが可能になった。

4月には、外注にも対応した塗装工場を立ち上げた。デザイン・コンサルタント会社のカラム社やスポーツカーメーカーのBACなどがその顧客企業として挙げられる。

今後の資産管理や事業、’67の生産についてはまだ明らかにされていない。

記事に関わった人々

  • ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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