「高級」SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(1) 全長5.4mは日常に馴染む?

公開 : 2024.08.03 09:45

約5.4mの全長を持つディフェンダー130 ランドローバーの「3本柱」の重要な1台 安定した走りで、高級車へ仲間入りした現行型 普段使いとの親和性を、英編集部が長期テストで評価

ランドローバーの3本柱を構成する1台

英国編集部に、フォード・レンジャー・ラプターに負けないくらい大きなオフローダーがやってきた。ランドローバーのラインナップで、最もタフなディフェンダーだ。しかも、最長の130が。

現行型の登場は2020年。ディスカバリーとレンジローバーに並ぶ、同ブランドの3本柱の重要な1本を構成し、堅調に人気を維持している。

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

ディフェンダー 130のホイールベースは、110と同じ3022mm。だがリアのオーバーハングが340mm伸ばされている。ディパーチャー・アングルの影響を最小限にするため、ボディの下回りの形状にも手が加えられている。

そもそも大きなディフェンダーだが、130の全長はスペアタイヤを含まない状態で5099mm。通常はそれを背負っているから、5358mmになる。

そのかわり車内空間は広大で、ディフェンダーでは唯一、3列シートの指定も可能。ただし英国の場合、定員が9名になると普通車扱いではなくなるため、前席中央のジャンプシートは希望できない。定員は8名になる。

AUTOCARを以前からお読みいただいているなら、ディフェンダー 90が長期テストに加わっていたことをご記憶かもしれない。自らコンフィギュレータを操作し、ダークブルーのボディに、ホワイトのルーフとスチールホイールでコーディネートした。

今回は、ランドローバー側が仕様を決めた。アウトバウンドと呼ばれるトリムグレードで、エンジンは3.0L 直列6気筒ディーゼルターボ。マイルド・ハイブリッドで、300psを発揮するD300だ。

積載量が優先された2列シート オプション満載

身近なグレードとして、X-ダイナミックSEも用意されているが、アウトバウンドは上級側。ホイールはグロスブラックのアルミで、車内にはラバーマットが広範囲に敷かれている。ボディと同色に塗られた化粧トリムがおしゃれだ。

そしてアウトバウンドは、積載量が優先されている。3列目のシートはなく、定員は5名。荷室は、通常の3列シートの130なら400Lとさほど大きくないが、2列シートのこちらは1329L。後部座席を折りたためば、2516Lへ拡大する。

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

フットサルチームのマネージャーなら、3列シートの方が便利だと思う。でも、筆者は観戦専門だから問題ない。他方、ラバーマットはありがたい。泥まみれの干し草も、気兼ねなく載せられる。

オプションは複数載っている。上質なレザーシートは920ポンド(約18万8000円)で、プレミアム・インテリアが2275ポンド(約46万4000円)、牽引パッケージは1415ポンド(約28万9000円)する。

1020ポンド(約20万8000円)の電子制御アクティブ・リアディファレンシャルも付いている。3年間のサブスクサービスとして、盗難防止トラッカーも530ポンド(約10万8000円)で実装されている。

オシの強いグレーのボディカラーは1800ポンド(約36万7000円)だが、そこにサテンの保護フィルムが貼られており、こちらは4000ポンド(約81万6000円)!。かくして、長期テスト車のお値段は、9万6745ポンド(約1974万円)だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト ランドローバー・ディフェンダー 130の前後関係

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