エアロ重視で航続距離750km DSが新型ファストバック「DS 8」のプロトタイプ初公開

公開 : 2024.11.25 06:25

DSが新型EV「DS 8」と思われるプロトタイプを公開した。流麗なスタイルのファストバックで、Cd値0.24と驚異的な空力性能を実現。ブランドのフラッグシップモデルとして年内に正式発表される予定だ。

Cd値0.24 新型EVまもなくデビュー

フランスのDSが新型EVのプロトタイプを公開した。充電1回で750kmの走行が可能だという。

正式な車名は未確認だが、これまでの経緯から「DS 8」になると予想されている。ファストバックのバッテリーEVで、航続距離を延ばすために空力開発に力を入れたという。

新型「DS 8(仮称)」のプロトタイプ
新型「DS 8(仮称)」のプロトタイプ    DS

DSは、フロントガラスとボンネットを後方に移動させたと述べているが、具体的に何と比較したのかはまだ明らかにしていない。新型DS 8はプジョーe-3008やオペルグランドランドの兄弟車と見られ、DSのコメントはそれらよりもスマートなモデルになることを示唆している。

DSが公開した新しい画像には、大きく寝かせたリアウィンドウも写っており、こうしたデザインが空力に大きな役割を果たしていることは間違いない。空気抵抗係数を示すCd値は0.24とされ、ライバルのポールスター4(Cd 値0.26)よりも優れているが、テスラモデルY(同0.23)にはわずかに及ばない。

WLTPサイクルの推定航続距離は750kmと、市販EVでは最長クラスとなる。

DSによると、この新型車は年内に全貌が明らかになるという。

画像のプロトタイプを見る限り、セダンとSUVの中間的なスタイルで、最近公開されたコンセプトカー「SMトリビュート」からも影響を受けているようだ。

DS 8は、現行のDS 9に代わるフラッグシップモデルになると予想されている。

DSがシトロエンから分離して独立ブランドとなってから今年で10年が経つが、欧州市場での足場固めに苦戦している。欧州における8月末までの新車販売台数は前年比33%減の2万6173台、そのうちDS 9はわずか234台にとどまる。

DS 8はイタリアのメルフィにあるステランティスの工場で生産される見込みだ。同工場では、オペルやランチアの新型車も生産される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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