最後まで魅了されっぱなし アルファ・ロメオ・ジュリアQV 長期テスト(最終) 夢心地を覚ます警告灯
公開 : 2025.03.08 09:45
美しく快適 最後まで魅了されっぱなし
内燃エンジンの時代は、終わりを告げようとしている。30年後のAUTOCARでは、クラシックカーになったジュリア・クアドリフォリオの特集記事が組まれるだろう。V6エンジンの特長についても、詳しく解説されるに違いない。
乗り心地は、動力性能を考えると感動的なほど滑らか。4000km以上を共に過ごしたが、最後まで魅了されっぱなしだった。その距離の殆どを占めた高速道路の移動も、極めて快適だった。

サービスエリアへ立ち寄る度に、低く滑らかなボディとカーボンファイバー製スポイラー、19インチのアルミホイールへ見惚れた。スポーティな見た目で、最高速度は300km/h以上なのに、至って安楽に移動できることへ言葉を失った。
燃費は平均で8.3km/L。筆者にとっては喜ばしい数字ではないものの、一般的なジュリア・クアドリフォリオのオーナーが有するであろう経済力なら、そこまで悩ましいものではないはず。
信頼性は、BMW M3やメルセデスAMG C 63の方が優れることは否定できないだろう。維持費は抑えられるし、運転体験は劣らず素晴らしい。アルファ・ロメオでは珍しいが、能力を引き出されることなく、下品に改造されて乗られるケースもあるとはいえ。
ジュリア・クアドリフォリオへ、筆者は初めから高い期待を抱いていた。果たして、想像通り素晴らしいクルマだった。むしろ、予想以上に快適だった。少しだけ、コストも多くかかったけれど。
セカンドオピニオン
ジュリア・クアドリフォリオは、登場以来欲しいクルマの1台であり続けている。長期テストで乗ってみて、アルファ・ロメオらしい体験ができた。
運転を存分に楽しんで、些細な故障も味わった。もう少し、基本はしっかりしていて欲しいかも。 クリス・カルマー(Kris Culmer)

テストデータ
気に入っているトコロ
シンプルなパワートレイン:非ハイブリッドのV6エンジンに、何種類かのドライブモードだけ。回生ブレーキはない。選べるオプションも少ない。
驚くほど民主的:高速道路では快適。市街地では小回りが利く。運転席からの視界も、トランクも広い。本当に普段使いしやすい。
エトナ・レッド:ボディ色は複数から選べるが、エトナ・レッドがベスト。アルファ・レッドより僅かに明るく、スタイリングを際立たせる。
気に入らないトコロ
スーパーカー級の燃費:520psのV6ツインターボエンジンは、ガソリンを沢山燃やす。マセラティMC20並みに。
インフォテインメント・システム:少し前時代的。アップル・カープレイを利用すれば、日常的に困ることはないものの、価格を考えるとアップデートされて良い。
走行距離

テスト開始時積算距離:1万1017km
テスト終了時積算距離:1万5178km
価格
モデル名:アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
開始時の価格:7万8195ポンド(約1524万円)
現行の価格:8万545ポンド(約1570万円)
テスト車の価格:8万2245 ポンド(約1603万円)
オプション装備
エトナ・レッド塗装:2500ポンド(約48万7000円)
ドライバーアシスタンス・パッケージ:1100ポンド(約21万5000円)
レッド・ブレーキキャリパー:450ポンド(約8万8000円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:9.9km/L
タンク容量:58.0L
平均燃費:8.3km/L
最高燃費:11.8km/L
最低燃費:5.6km/L
航続可能距離:482km(ガソリン)
主要諸元
全長:4687mm
全幅:1903mm
全高:1671mm
最高速度:284km/h
0-100km/h加速:3.9秒
車両重量:1660kg
パワートレイン:V型6気筒2891cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:520ps/6500rpm
最大トルク:61.1kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)
トランク容量:480L
ホイールサイズ:19インチ
タイヤ:245/35 R19(前)/285/30 R19(後)
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:901.45ポンド(約17万6000円/月)
CO2 排出量:229g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:736.19ポンド(約14万4000円/ガソリン)
燃料含めたランニングコスト:736.19ポンド(約14万4000円/ガソリン)
1マイル当りコスト:0.28ポンド(約55円)
不具合:警告灯の点灯とエラーメッセージの表示、バッテリー上がり、サイドブレーキの不調