映像作品でもおなじみ 米国の象徴的なパトカー 31選(後編) 現代の警察車両は?

公開 : 2025.03.30 19:25

シボレー・ノヴァ・ポリス・ビークル(1975年)

後輪駆動のノヴァの最終世代は、燃費と排ガス性能が重視されていた当時、警察機関に人気の車種となった。シボレーは、コンパクトなノヴァの生涯コストの低さを強調し、最終的にセントルイス、ロサンゼルス、ウィスコンシン州マディソンなどの警察および保安官事務所で採用された。

警察仕様の『Copo 9C1』には、強化型のタイヤ、サスペンション、バッテリー、ジェネレーター、冷却システム、専用のニールームと乗降スペースを備えた後部座席、耐久性の高いビニールシートトリムが装備されている。映画『グレムリン』などにも登場した警察仕様のノヴァには、時速2マイル刻みの警察公認スピードメーターがオプションとして用意されていた。

シボレー・ノヴァ・ポリス・ビークル(1975年)
シボレー・ノヴァ・ポリス・ビークル(1975年)

フォード・フェアモント・ポリスカー(1978年)

1978年モデルのフェアモントは、市街地パトロールや追跡以外の任務を遂行するパトカーとして、前述のノヴァに対抗するべく設計された。フォードは、コンパクトカーであるにもかかわらず、ヘッドルーム、レッグルーム、ショルダールームは大型車の90%の広さを確保していると主張した。

3.3L 6気筒エンジンまたは5.0L V8エンジンを搭載したフェアモント・ポリス・パッケージは、悪路走行に耐える強化ボディ、独自のスプリング、スタビライザーバー、ストラット、ショックアブソーバー、パワーステアリングを装備している。

フォード・フェアモント・ポリスカー(1978年)
フォード・フェアモント・ポリスカー(1978年)

プリムス・ヴォラーレ・ポリスカー(1978年)

シボレー、フォードと並ぶ新世代の小型パトカーとして、プリムスは1978年にヴォラーレ・パシュートを発表した。ほぼ共通のダッジ・アスペンも登場したが販売は振るわなかった。当時の販売資料では、ヴォラーレ・パシュートは「タフで取り回しがしやすく、導入コストが低くて快適な、警官の長い勤務時間を支えるクルマ」と紹介されていた。

ボンネットの下には、触媒コンバーター装着状態で最高出力155psを発生する318立方インチ(5.2L)V8エンジン、または170psの360立方インチ(5.9L)エンジンが搭載されている。

プリムス・ヴォラーレ・ポリスカー(1978年)
プリムス・ヴォラーレ・ポリスカー(1978年)

フォード・マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(1982年)

マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(SSP)は、フォードの最も有名な警察車両の1つである。高出力の5.0L V8エンジンは、1/4マイルを15.5秒で走り抜け、「ポルシェを追いかける」のに役立つと、当時の広告は伝えている。ラック&ピニオン式ステアリング、ディスクブレーキ、高耐久性スタビライザーバーにより、911を視界にとらえ続けることができただろう。

1982年、過酷なテストプログラムを経て、ローンチカスタマーであるカリフォルニア州警察が特別装備のマスタング400台を購入した。価格は1台あたり6868.67ドル(現在の価値で約2万3000ドル=約350万円)で、耐用期間は18か月とされていた。フォードは1993年までマスタングSSPの製造を続けた。

フォード・マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(1982年)
フォード・マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(1982年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    グラハム・ヒープス

    Graham Heeps

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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