名機「スモールブロック」からディーゼル版まで ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジン(中編) 数多の改良と派生
公開 : 2026.03.08 11:25
クルマ好きの心を揺さぶるV型8気筒の鼓動。本特集では米国を代表する自動車会社の1つ、ゼネラルモーターズがこれまで生産してきたすべてのV8エンジンを紹介しつつ、その栄光と苦難の歴史を振り返ります。
もくじ
ーシボレー・スモールブロック Mk1(1954年)
ーポンティアック V8(1955年)
ービュイック・ネイルヘッド Mk2(1957年)
ーシボレー・ビッグブロック(1958年)
ービュイック/オールズモビル 215(1961年)
ーオールズモビル・ターボロケット(1962年)
ーオールズモビル V8(1964年)
ービュイック 300(1964年)
ービュイック・ビッグブロック(1967年)
ーホールデン V8(1969年)
ーオールズモビル・ディーゼル(1978年)
ーポンティアック 301ターボ(1980年)
シボレー・スモールブロック Mk1(1954年)
シボレーのスモールブロックは、おそらくGM史上最も称賛されたエンジンだろう。驚くべきことに、1億台以上が生産されている。現在では新車には搭載されていないが、交換用または改造用の「クレートエンジン」として依然入手可能だ。
初登場は1955年モデルのベルエア(写真)とコルベットだった。改良を重ねた派生型は、2003年までGMの量産車に搭載され続けた。

ポンティアック V8(1955年)
1930年代初頭にオークランドから継承したエンジンとは異なり、1955年にデビューしたポンティアック初の自社設計のV8は、数々の改良を経て1980年代まで生き残った。
排気量は4.3Lから巨大な7.5Lまで及ぶ。過激な仕様は『ハイアウトプット』、『スーパーデューティー』、そしてやや誤解を招きそうな『ラムエア』などの名称で親しまれている。

写真:1957年 ポンティアック・ボンネビル
ビュイック・ネイルヘッド Mk2(1957年)
ビュイックは1957年モデル向けにネイルヘッドを徹底的に設計し直したが、元の比較的小さなバルブと、大径ショートストロークのレイアウトは維持した。これらのユニットの多くは『ワイルドキャット』と呼ばれたが、非公式のネイルヘッドの名称は今も広く浸透している。
前世代よりもかなり大型化しており、当初6.0Lから始まり、1963年には7.0Lへ拡大した。これは当時の2代目クライスラー・ヘミV8とほぼ同等であり、その巨大さから『エレファント』と呼ばれていた。

シボレー・ビッグブロック(1958年)
シボレーのビッグブロックは、スモールブロックの愛称『マウス』と区別するため『ラットモーター』と呼ばれる。当初トラックや大型車向けに開発されたものだ。1950年代後半に導入された初代から現在のエンジンまで、明確な進化の系譜が存在し、現在は7代目に位置付けられる。
量産モデルに搭載された排気量は5.7L〜8.1Lだったが、GMは現在9.4Lのクレートエンジンを提供している。実業家ソニー・レナードがドラッグスターに搭載したエンジン『ゴッドファーザー』はビッグブロックを基にしているが、16.5Lという途方もないサイズである。

ビュイック/オールズモビル 215(1961年)
1960年代初頭、ビュイックはオールアルミ製3.5LスモールブロックV8を開発した。オールズモビルも独自バージョンを生産したが、ビュイックとの違いは細部のみ。どちらもオリジナル形態での生産期間は極めて短かったが、英国やオーストラリアの他社に引き継がれ、改良が加えられた。
ローバーはビュイックからエンジンの権利を取得し、独自のV8として改良した。このエンジンは数十年にわたり、数多くのモデルに搭載され、初代および2代目レンジローバーにも採用されている。オールズモビル版はレプコV8のベースとなり、ジャック・ブラバム(1926-2014)とデニー・ハルム(1936-1992)が駆るブラバムのレーシングカーに搭載され、それぞれ1966年と1967年のF1世界選手権を制した。




























