911彷彿の空冷サウンド シボレー・コルヴェア・コルサ 量産車初採用はアメリカ車 ターボ! ブースト!(1)開幕

公開 : 2026.02.21 17:45

動力性能の追求が目的だった「ターボ」 FFハッチバックに四動のラリー・ホモロゲ、RRスポーツまで効果は抜群 技術の恩恵を最も享受したのは日本? 各国代表7台のパワーを全開放

パフォーマンス追求が目的だったターボ

見慣れた量産車のエンジンに、ターボチャージャーが載っていると聞いても、今では驚く人は殆どいないだろう。強化される排気ガス規制をクリアし、燃費を抑えながら求められるパワーを引き出すうえで、有効な技術になっている。

だが半世紀前は、ターボという響きへ多くのクルマ好きが興奮した。サステナビリティではなく、パフォーマンスの追求が目的だった。新技術が、輝かしい未来を予見させた。

英国編集部が選んだ、各国代表のクラシック・ターボモデル7台
英国編集部が選んだ、各国代表のクラシック・ターボモデル7台    マックス・エドレストン(Max Edleston)

今回は、その過給技術を搭載した各国代表といえるモデルを、英国編集部が7台選んでみた。グリルの隙間から、チラ見えするインタークーラー。ダッシュボードで回るブースト計。容赦ないラグと、放出される大パワー。これぞターボだ。

口火を切るのはアメリカ車。実は普通車では初めて、ターボエンジンを積んでいる。

他国へ先行したアメリカのターボエンジン

シボレーがコルヴェアへターボを搭載する以前から、アメリカの製造業はターボ技術へ積極的に取り組んでいた。ターボエンジンを初めて搭載したのは、1920年代の飛行機、パッカード・ル・ペール複葉機だ。

量産車でターボエンジンを積んだ世界初は、1962年の2ドア・ハードトップ、オールズモビルF-85 ジェットファイア。同じくシボレー傘下だったビュイックのV型8気筒をベースに、215cu.in(約3.5L)の排気量から218psと41.4kg-mが引き出された。

シボレー・コルヴェア・コルサ・ターボ・コンバーチブル(1965~1967年/北米仕様)
シボレー・コルヴェア・コルサ・ターボ・コンバーチブル(1965~1967年/北米仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ただしエンジン保護の目的で、「ターボ・ロケット」と呼ばれたメタノールと水の混合フルードが、高負荷時には必要だった。圧縮比が10.25:1と高く、吸気ポートへ噴射することで異常燃焼を防いだが、この補充が手間だと感じたオーナーは多かった。

7万rpmで回るターボで87%も増強

他方、空冷の2.3L水平対向6気筒ターボエンジンをリアに積んだシボレー・コルヴェアには、そのフルードが必要なかった。スーパーチャージャーも検討されたが、ガソリンの消費量が多く、狭いエンジンルームへの搭載は難しかった。

フォルクスワーゲンへ対抗するモデルで、ファミリーカー的な要素が強かったクーペだが、カーマニアからの支持も高いことへシボレーは着目。高性能仕様のコルヴェア・モンツァ・クーペに、1962年からターボがオプションで設定されている。

シボレー・コルヴェア・コルサ・ターボ・コンバーチブル(1965~1967年/北米仕様)
シボレー・コルヴェア・コルサ・ターボ・コンバーチブル(1965~1967年/北米仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

果たして、最高出力は152psへ上昇。自然吸気仕様と比べて、87%増強されていた。14枚のフィンで構成されるタービンは7万rpmで回り、0.69barのブースト圧を生成した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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