【スーパーカー超王が斬る】BEVで登場した新世代ロータス!エメヤとエレトレに『らしさ』はあるのか?(前編)

公開 : 2025.04.03 11:45

操作性はまずは合格レベル

キャビンのスペースは、ホイールベースの数字からも予想できるように、後席まわりでも十分な余裕がある。インパネには巨大な液晶画面が装備され、ドライバーはほとんどの操作をこの画面から行うことになるが、操作性はまずは合格レベルといったところ。シートはそもそもホールド感に優れるが、スポーツなどのドライビングモードを選択すると、同時にランバーサポートがさらに強く両脇をホールドし、いわゆるマン・マシンの一体感をより強めてくれる。

前後に2基のエレクトリックモーターを搭載し、システム全体では905psの最高出力と985Nmの最大トルクを発揮する、エメヤのパワーユニット。それが負担する車重は2500kg前後であるから(装備によって若干の違いがある)、パワーウエイトレシオを考えても、その走りがいかに魅力的なものであるのかは、容易に想像できるだろう。

インパネには巨大な液晶画面が装備され、ドライバーはほとんどの操作をこの画面から行うことになる。
インパネには巨大な液晶画面が装備され、ドライバーはほとんどの操作をこの画面から行うことになる。    内藤敬仁

実際にストップ&ゴーを繰り返してみても、その客観的な速さ(0→100km/h加速で2.8秒を記録する)は十分にそれを体験することができた。一方で気になったのは、いわゆる4WD車としての加速時の落ち着きで、905psというパワーをマナー良く効率的に路面に放出しきれていない印象も拭えなかった。

高級GTというキャッチフレーズに似合わないタイヤ

試乗車には22インチ径のミシュラン製パイロット・スポーツEVタイヤが装着されていたが、このタイヤが演出する乗り心地も、やや高級GTというキャッチフレーズには似合わないような気がした。ロードノイズは、そもそものエメヤの遮音性に加えて、ノイズキャンセリングシステムの恩恵で、実に快適なレベルにまで軽減されているのだが、特に低速域では乗り心地にこのタイヤの特性が与える影響は大きい。コンフォートの走行モードを選ぶ時間の多いユーザーには、この乗り心地はやや気になるところではないか。

いくつかのコーナリングを楽しんでいるうちに、自分が今ドライブしているのは紛れもなきロータスの最新モデルなのだという意識が生まれてきたことに驚かされた。BEVの魅力ともいえる重心の低さに加えて、クイックで正確なステアリング、そしてナチュラルな印象を崩すことのないサスペンションのチューニング。かつてロータスの創始者であるコーリン・チャップマンは、4ドアGTの生産にも深い興味を示していたというが、その夢はBEVの時代を迎えてようやく実現するに至ったのである。
(つづく)

試乗車には22インチ径のミシュラン製パイロット・スポーツEVタイヤが装着される。
試乗車には22インチ径のミシュラン製パイロット・スポーツEVタイヤが装着される。    内藤敬仁

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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