世界的高級銘柄への1歩 ロータス・エメヤ 600 GT(1) エレトレ共有の800Vハードを概説

公開 : 2025.08.05 19:05

高級ブランドへ生まれ変わるロータス EVの美学を追求したエメヤ 上質素材と製造品質へ驚ける車内 必要なパワーを自在に召喚できる2モーター 直感的で線形的なステアリング UK編集部が試乗

ロータスは世界的な高級ブランドへ

世界的な高級ブランドとして、ロータスは生まれ変わる。スポーツモデルのエミーラエヴァイヤは、それに外せない存在といえる。SUVブームの中で、エレトレも重要なポジショニングにある。

対して、エメヤは電動のスーパーサルーン。欧州ブランドとしてこのカテゴリーは不可欠だという、従来的な概念から生まれたモデルに思える。ポルシェを見ても、タイカンの販売は低調で、マカン・エレクトリックに水を開けられている。

ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)
ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)

エメヤが、収益を支える可能性は低いだろう。それでも、SUVには魅力を感じないという人は、少なからず存在する。電圧800Vの電動アーキテクチャに駆動用バッテリー、エアサスペンション、後輪操舵システムなど、技術的にはエレトレと多くを共有するが。

駆動用モーターも同様。エメヤ 600には306psを発揮するユニットが2基載り、システム総合の最高出力は611ps。900ではリア側が612psへ強化され、919psを得る。

短いボンネットに長いホイールベース EVの美学

エレトレからの、技術的な進化もある。容量は僅かに犠牲になっているが、全高を低く抑えるべく、駆動用バッテリーの冷却系はユニット中央へ内蔵。その冷却・制御システムは新世代だといい、急速充電は最大420kWへ対応する。

ブレーキは、直径412mmのスチールディスクと6ポッドキャリパーが、通常のペア。600 スポーツSEや900 スポーツ・カーボンでは、カーボンセラミック・ディスクと10ポッドキャリパーへ強化される。タイヤは、ミシュランを履く。

ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)
ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)

スタイリングを担当したのは、ベン・ペイン氏。ボンネットが短くホイールベースは長く、EVにおける新美学が追求されている。サイズは全長5139mm、全幅2005mm、全高1459mmと、かなりの体格。車重は2478kgと、エリーゼ S1の3台分ある。

運転支援システム用のカメラやセンサーを収める膨らみがボディ各所に備わり、親会社、ジーリー・ホールディングスの影響が見て取れる。だが、その機器類は一部がオプションで、試乗車にはLiDAR(ライダー)が内蔵されていなかった。

上質な素材と高水準な製造品質に驚ける

インテリアは、スタイリングと同様に、機能美を重視してきたロータスのイメージを覆す。上質な素材と高水準な製造品質に、きっと驚かれるだろう。レザーやアルカンターラ、カーボンファイバーでくまなく包まれ、金属に見える部分は本物の金属だ。

ダッシュボードとドアパネルは、複雑なカーブで造形。雰囲気はエレトレと似せつつ、しっかり差別化されてもいる。

ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)
ロータス・エメヤ 600 GT(英国仕様)

車載機能の殆どは、15.1インチのタッチモニターで操作するが、エアコンなどには実際に押せるハードスイッチを用意。グローブボックスも、ロッカースイッチで開閉できる。ステアリングホイール裏には、回生ブレーキ用のパドルも備わる。

モニターの表示は鮮明で、反応が素早い。メニュー構造は理解しやすく、階層は浅く、必要な項目を探しやすい。スマートフォンとの連携は滑らかで、ショートカットキーも便利だ。シートヒーターやファンの項目が、サブメニュー内にあることには疑問だが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ロータス・エメヤ 600 GTの前後関係

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