911級に積極的に乗れる? モーガン・スーパースポーツ 新旧混在 根底の体験は不変

公開 : 2025.05.01 19:05

歴代モデルと比較にならない有能シャシー

走り出してみると、低域ではインジェクターのノイズがカチカチと大きい。しかし、速度域が増すにつれて音質が変化し、鋭い加速と響きを楽しめる。0-100km/h加速は3.9秒が主張される。ブレーキペダルの感触も良い。

シャシーは、歴代モデルと比較にならないほど高性能。それでも、モーガンという枠は超えてもいないだろう。

モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)
モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)

コーナリングは機敏。長いボンネットから想像する通り、後ろ寄りに座って運転している感覚を伴う。ステアリングの反応は、リニアさとダイレクトさが磨かれ、驚くほど予想しやすい。

アンチスクワット設計のサスペンションはストロークが増え、乗り心地と操縦性のバランスも素晴らしい。路面の凹凸が目立つ連続するカーブを巡っても、穏やかなマナーと優れた快適性で、アリエル・ノマドが頭によぎる流暢さといえた。

アルミ製シャシーのモーガンは、限界が迫ると反応が鈍くなる特性があったが、改良を経てそれは消えた様子。タイヤが巧みに路面を掴み、シャシーとの信頼感を築ける。

お値段は10万2000ポンド(約1989万円)で、少し驚かれるかもしれない。もっとも、近年の新車価格はおしなべて高騰している。少量生産のモーガンは、値落ちが少ないのは好材料だ。

大進化でも運転体験の根底にモーガンらしさ

従来のプラスシックスの特徴を継承しつつ、大幅な進化を果たしたスーパースポーツ。動力性能や乗り心地、リニアな操縦性などは、過去のモーガンとは一線を画すレベルに達している。それでも、体験の根底にはモーガンらしさがある。

運転席からの眺めは素敵で、リア寄りのキャビンに座って駆け出せば、小さく軽い魅力的なスポーツカーだと理解できる。多少、洗練性で及ばない部分があるとしても。

モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)
モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)

寒い雨天の夜に乗るなら、911の方が安全・快適ではあるだろう。それでも悪くない条件の日なら、遥かに大きな充足感へ浸ることができるはず。

◯:すべてが美しくまとまった印象 一体感の強い魅力的な操縦性
△:低速域でエンジンがウルサイ 911級のセカンドカーとしては、洗練度が及ばない

モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:10万2000ポンド(約1989万円)
全長:4110mm
全幅:1805mm
全高:1290mm
最高速度:267km/h(予想)
0-100km/h加速:3.9秒(予想)
燃費:13.0km/L
CO2排出量:175g/km
車両重量:1170kg
パワートレイン:直列6気筒2998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:339ps/6500rpm
最大トルク:50.9kg-m/1250rpm
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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