アウディ、中国特化の新ブランド『AUDI』 787馬力の量産EV『E5スポーツバック』初公開

公開 : 2025.04.24 06:45  更新 : 2025.04.25 08:18

アウディは中国向けに立ち上げた新サブブランドの量産モデル第1弾となる『AUDI E5スポーツバック』を発表しました。4リングを廃した大胆なデザイン言語を特徴とし、航続距離は最大770kmに達します。

専用デザイン採用 自動運転にも注力

ドイツの自動車メーカーであるアウディは、中国向けに立ち上げた新サブブランド『AUDI』の最初の量産モデルとして、『E5スポーツバック(E5 Sportback)』を上海モーターショーで発表した。

「中国で、中国のために」開発されたというE5スポーツバックは、上海汽車(SAIC)と共同開発した新プラットフォームをベースにしており、最高出力は787ps、航続距離は最大770kmとされる。

上海モーターショーで公開されたAUDI E5スポーツバック
上海モーターショーで公開されたAUDI E5スポーツバック    AUTOCAR

そのデザインは、昨年発表された『Eコンセプト』を踏襲しており、アウディのこれまでのモデルとはほぼ完全に異なる。例えば、エンブレムの4リングは装着されず、表面処理もよりミニマルになっている。

内燃機関搭載のアウディA5とほぼ同クラスの位置付けだが、中国市場では車内空間が重視されることから、全長と全幅がわずかに大きくなっている。

車内には、ダッシュボードの幅いっぱいに広がる27インチのディスプレイスクリーンが備わる。重要な機能を常にメニューの上位に表示するように設計されており、顔認識技術でアクセス可能なアプリストアも用意される。

パワートレインとしては、最高出力300ps、407ps、578ps、787psの4つのバリエーションがある。最上位モデルはデュアルモーター/四輪駆動で『クワトロ』を名乗り、エントリーモデルはリアに1基のモーターを搭載する後輪駆動となる。

最も高性能なモデルは、0-100km/h加速3.4秒を誇る。

中国の比較的緩やかなCLTCでは、100kWhのバッテリーにより、最大770kmの航続距離を実現している。このバッテリーは10分間の充電で370kmを走行できるという。

また、E5スポーツバックは自動運転機能にも力を入れており、高速道路と市街地での両方で利用可能だ。ルーフに搭載されたLiDARボックス、3つの長距離レーダー、12の超音波センサー、および多数のカメラを組み合わせることで、「北京の胡同(細い路地)を熟知したベテランのように、三輪車や宅配便のバイクを予測する」ことができると、アウディは主張している。

E5スポーツバックの生産は今年後半に開始されるが、欧州での販売予定はない。AUDIブランドからは2026年にセダン、2027年にSUVが発売される予定で、いずれもE5と同じプラットフォームを採用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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