【もはや目が追いつかない加速】オモシロイとコワイが常に共存!ケータハム・セブン340Rはスリリングなスポーツカー

公開 : 2025.04.28 12:15  更新 : 2025.04.29 11:24

フォード製1999ccデュラテック4気筒エンジンを搭載する『ケータハム340』のRモデルに試乗します。試乗直後、フルフェイスヘルメットを着用したくなったという、高桑秀典のレポートです。

ロード志向のSとサーキット志向のRを用意

これまでにケータハム・スーパーセブンおよびセブンに搭載されたエンジンは多様で、ケント・エンジン、ロータス・ツインカム、コスワースBDR、ヴォグゾール、ローバーKシリーズ、フォード製16バルブDOHCシグマなどが積まれてきた。

現在は、スズキ製660ccターボチャージャー付き3気筒エンジン搭載車と、フォード製1999ccデュラテック4気筒エンジン搭載車がラインナップされている。

フォード製1999ccデュラテック4気筒エンジンを積んでいるセブン340Rで公道を疾走。
フォード製1999ccデュラテック4気筒エンジンを積んでいるセブン340Rで公道を疾走。    山本佳吾

日本の軽自動車規格を満たすよう設計された前者のほうには、ロード志向の『S』とサーキット志向の『R』というふたつのモデルが用意されている『セブン170』(車名が130から160になって、現在の170へと変更)と、ケータハム初期のモデルからインスピレーションを得た『スーパーセブン600』が存在。

後者には簡素化と軽量化を重要視した『セブン340』および、ケータハムが誇る最強の自然吸気モデルである『セブン480』(本国での生産終了に伴い販売店での在庫対応のみ/日本限定販売台数15台のファイナルエディションを2月28日に発表)、そして、往時のケータハムでたくさん見られたフレアードフロントウイング(クラムシェルフェンダー)を600と同じように採用したクラシカルな雰囲気の『スーパーセブン2000』という3タイプが用意されている。

今回レポートするのは、フロントにデュラテック・エンジンを積んでいるセブン340で、サーキット志向のRモデルで走り慣れた一般道を走ってきた。

500kg台の車体に最高出力172psのエンジンを搭載

ロータスの創設者であるコーリン・チャップマンが1957年にリリースしたロータス・セブンは、とにかく車体の簡素化と軽量化を重要視していた。

1973年にロータスからロータス・セブンの製造権を取得したケータハムカーズもずっとその精神を忠実に守り続けており、セブン340はロード志向のSモデルで560kg、サーキット志向のRモデルで540kgという車両重量を実現している。

最新の排ガス基準にも適合しており、148g/kmというCO2排出量を実現しているという。
最新の排ガス基準にも適合しており、148g/kmというCO2排出量を実現しているという。    山本佳吾

セブン340も他のモデルと同じように豊富なオプションによってオーナーの好みの仕様に仕立てることが可能なので、車両重量自体は装着オプションによって変わるが、いずれにせよ500kg台なので、驚異的なパフォーマンスを堪能できる。

そのような魅力溢れるセブン340は、バランスのいいベーシックモデルとして親しまれた『セブン270』の後継モデルにあたる。セブン270に搭載されていたフォード製1596ccシグマ4気筒エンジンの最高出力は135psで、セブン340に積まれているフォード製1999ccデュラテック4気筒エンジンの最高出力は172psなので、約27%のパワーアップを実現したことになる。当然のことながら、トルクも向上した。

500kg台という軽量な車体に最高出力172psというエンジンが組み合わされているので、最高速度209km/h、0-100km加速5秒以下という動力性能を誇っており、そのスペックを聞いただけでワクワクドキドキしてしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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