【中華EVの隆盛】中国発のオフロード車ブランド『iCar』より、コンパクトSUV欧州発売へ

公開 : 2025.05.08 07:45

中国の自動車メーカーであるチェリー(奇瑞汽車)は来年、オフロード車ブランドのiCarから電動コンパクトSUV『V23』を欧州で発売します。それに続いて複数のSUVモデルも導入し、販路を拡大していく計画です。

どんどん出てくる新興ブランド

中国の大手自動車メーカー、チェリー(奇瑞汽車)は、世界的な販売拡大計画の一環として、電動オフロード車ブランド『iCar』を来年英国に投入する。ただし、同じiCarの名称を所有するアップルとの衝突を避けるため、中国以外の国においては『iCaur』と改名される。

ラインナップには、昨年中国で発売された、タフなルックスの電動コンパクトSUV『V23』が含まれる。最上位モデルは、2基の電気モーターを用いた最高出力210psの四輪駆動で、82kWhのNMCバッテリーを採用し、航続距離500kmを実現する。

iCarが英国で販売を予定しているV23
iCarが英国で販売を予定しているV23    iCar

V23に続き、来年末には全長4.8mのSUV『V25』が登場する。1.5Lのターボガソリンエンジンを発電用として搭載するレンジエクステンダーEVだ。

2027年には、ジープアベンジャーに対抗する『V21』と名付けられた小型電動SUVが登場する予定だ。英国での販売は未定だが、大型の『V29』も計画されている。

チェリーの輸出促進策の一環として、iCarは3年以内に100か国・2000店のショールームをオープンする計画であると、同社CEOのスー・ジュン氏は先日の上海モーターショーで述べた。

チェリーはすでにオモダ(Omoda)とジェクー(Jaecoo)の2ブランドを通じて英国で自動車を販売しており、昨年の立ち上げ以来急成長を遂げ、今年1~3月の販売台数はスズキ、ジープ、フィアットを抑えて合計6430台を記録した。ここに、若者をターゲットとする低価格車の新ブランド、レパス(Lepas)が間もなく加わる。

iCarはスマートEVブランドとして2023年に設立され、当初スポーツカーやミニバンなどを計画していたが、現在はオフロード車に注力している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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