車椅子ドライバーに操作しにくいEV充電器が問題に 英国 「後回しにされている」
公開 : 2025.05.26 06:45
充電インフラの地域格差
特に、ウィンチェスターにあるインスタボルト社のスーパーハブのような大規模充電サイトの開設は、EVオーナーにとって朗報と言えるだろう。しかし、決算委員会が指摘したもう1つの懸念、すなわち充電施設の地域格差も浮き彫りになっている。報告書によると、ロンドンとイングランド南東部だけで英国全土の充電ポイントの43%が集中しているという。
一方、イングランド南西部および北部の主要道路には急速充電ポイントが不足しており、充電事業者が地方で事業を展開することは依然として商業的に困難であるとされている。

「これは、地域格差とドライバー間の不平等に関する懸念を招いている。対策を講じなければ、この問題が充電ポイントの展開に固定化されてしまうリスクがある」と報告書は指摘している。
ロンドンとイングランド南東部の優位性は、国内1万5000基の急速充電/超急速充電器の分布にも反映されている。充電スポットのマッピングおよびデータサービスを提供しているZap-Map社によると、2月末時点で同地域には約3500基の充電器が設置されていたのに対し、北西部やウェストミッドランズなどの主要地域ではそれぞれ約1500基にとどまった。北東部では500基をわずかに上回る程度だった。
せっかくの予算が使われていない?
報告書ではもう1つ、別の懸念が提起された。1月時点で、英国全土の高速道路サービスエリア117か所のうち、約3分の1が運輸省の目標である「6基以上」の超急速充電器を設置できていないことだ。「充電ポイントは需要が発生する前に設置する必要がある」と報告書は指摘している。
なぜ、超急速充電器の数は目標に達していないのか。報告書では、5年前に主要幹線道路の充電インフラを改善するために設立され、9億5000万ポンド(約1840億円)の予算を有する運輸省の急速充電基金(RCF)から、まだ1ペンスも支出されていないことが原因かもしれないと書かれている。

充電企業を代表する業界団体、チャージUKはこの報告書を歓迎したが、充電器の展開は実際には需要を上回っていると主張した。代表のヴィッキー・リード氏は、会員企業は設置ペースを加速したいと考えているが、「実務上の障壁」に直面していると述べた。
運輸省は、英国の充電ネットワークは「驚異的なペース」で展開しており、「29分に1基のペースで増えている」と強調した。
未支出のRCFについて、運輸省の広報担当者は次のように述べた。
「2020年に基金が発表されて以来、市場は大幅に変化した。我々は支援対象を明確にするためにパイロットプロジェクトを立ち上げ、そこから得られた知見を主要幹線道路における充電インフラの拡充に活かしていく」
ZapMap社の創設者兼CEO、メラニー・シャッフルボトム氏は、全体として充電ポイントの数は道路を走るEVの台数に比例して増加していると指摘した。しかし、「地方や地域に課題がある」と述べ、「例えば、ウェールズと北アイルランドは遅れを取っている」と付け加えた。


