もはやクーペ以上の総合力 アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(2) クラスベストへ躍進
公開 : 2025.06.06 19:10
2024年に大アプデを受けたヴァンテージに、ロードスター登場 クーペと変わらないサス AMG由来のV8ツインターボは665ps クローズでもオープンでも乗り手を深く魅了 UK編集部が試乗
もくじ
ークーペと遜色ない能力 一層の劇場感
ークローズでもオープンでも乗り手を深く魅了
ーフェラーリやポルシェよりやや低めの価格
ー全体が生む充足感 クラスのベストチョイス
ーアストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(欧州仕様)のスペック
クーペと遜色ない能力 一層の劇場感
ドラマチックなフォルムが見る者を惹き込む、アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター。果たしてオープン状態での運転体験は、そのスタイリングを見事に体現したものといえる。クーペと遜色ない能力を備えつつ、一層の劇場感を味わえる。
カーブが連続するワインディングでは、若干ノーズの動きに重さがある。これは、フェラーリ・ローマ・スパイダーやポルシェ911 カブリオレでは感取されないものではある。操舵感は911ほど正確ではないし、ローマのように滑らかでもない。

しかし、ヴァンテージ・ロードスターは、アクセルペダルの加減でラインを自在に調整できる。スポーツ+モードでビルシュタイン社製のDTXダンパーを引き締めれば、限界領域へ迫っても、素晴らしい操縦性のバランスは崩れない。サウンドも見事だ。
往年のマッスルカー、ポンティアックGTOと、ライトウエイト・スポーツのケータハム・セブンを掛け合わせ、紳士に育った子孫のようと表現できるかもしれない。
クローズでもオープンでも乗り手を深く魅了
試乗したオーストリアのアスファルトは平滑だったが、快適性もクーペと大きな違いはないと予想する。ロードノイズは大きめながら、全般的に乗り心地はしなやかといえる。稀に、強い入力へボディはさらされるが。
広い全幅は、優れた安定性に貢献しているはず。高速巡航時のマナーにもプラスだ。

アストン マーティンは、走りを控えめに整えることで、南フランスを優雅に流すクルーザーのように仕上げることもできたはず。スタイリングには、そんなエレガントさも宿す。しかし、現在の同ブランドにはDB12 ヴォランテという存在がある。
結果として、クーペに迫るエキサイティングなコンバーチブルが生誕した。クローズでもオープンでも、ドライバーを深く魅了してくれる。
フェラーリやポルシェよりやや低めの価格
燃費は、カタログ値で8.1km/L。高速道路では多少伸びるかもしれないが、4.0L V8ツインターボの潜在能力を引き出せば、当然のように悪化する。タイヤの幅は、リアが325。積極的に走らせるほど、早く減ることはいうまでもない。
英国価格は、18万1500ポンド(約3539万円)から。クーペより1万6500ポンド(約322万円)お高いが、このクラスのコンバーチブルとしては、妥当なお値段といえる。フェラーリやポルシェの競合と比較して、やや低めに設定されてもいる。

シリアスな走りを好む筆者は、クーペかコンバーチブルの2択の場合、通常は安価なクーペを選ぶ。だがヴァンテージでは、ロードスターを退けるという選択は難しい。





























































































































