【スーパーカー超王が斬る】価格は1億2890万円!アストン マーティン・ヴァルハラはデザインもエンジニアリングも世界最高峰
公開 : 2025.05.12 11:45 更新 : 2025.05.12 13:44
アストン マーティンは5月9日、東京青山のブランドセンターにおいて、同社としては初となる量産ミドエンジンスーパーカー『アストン マーティン・ヴァルハラ』を公開しました。スーパーカー超王こと山崎元裕の解説です。
あらゆる次元が異なる究極のモデル
アストン マーティンは5月9日、東京青山のブランドセンターにおいて、同社としては初となる量産ミドエンジンスーパーカー『アストン マーティン・ヴァルハラ(Valhalla)』を公開した。
すでにイギリス本国ではオンロードでのテスト走行も開始されているヴァルハラは、2025年の第2四半期からデリバリーが始まる予定で、その生産は999台に限定される。アストン マーティン自身、業界の基準を新たに打ち立て再定義すると宣言しているとおり、それは今までの同社が生産していたスーパースポーツとは、あらゆる次元が異なる究極のモデルであることは確かだ。

ヴァルハラという新型車を眼の前にして、誰もがまず感動するのは、その新たなデザインコンセプトだろう。
それはもちろん現代の最高峰に位置するエアロダイナミクスを実現したもので、素材の選択に関してはアストン マーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのコンサルタントであるアストン マーティン・パフォーマンス・テクノジーズとの提携がオフィシャルに発表されている。
それはまた、アストン マーティンがデザインにおいても、またエンジニアリングにおいても世界の最高峰にあることを証明する、きわめて斬新な造形であると結論づけられる。
4LのV8ツインターボと3基のエレクトリックモーター
専用設計されたカーボンファイバー製のタブを中心にデザインされたヴァルハラの基本構造は、その下部セクションの重量が74.2kgと軽量で、かつ高剛性を誇っている。その結果ヴァルハラは乾燥重量で1655kgという軽量性を実現することに成功したが、これもまたF1からの技術が数多く採り入れられたことによるものだ。
ミドに搭載されるパワーユニットは、828psの最高出力を発揮する、4LのV型8気筒ツインターボエンジンと、251psを供給する3基のエレクトリックモーターで構成されるものだ。

後者のうち2基はフロントアクスルを駆動するために用いられ、もう1基はこちらも新開発となる8速DCTに組み込まれており、リアアクスルのみに駆動力を供給する仕組みだ。
システム全体の最高出力と最大トルクは、それぞれ1079ps、1100Nmというスペック。これと前で触れた乾燥重量の数値から計算すると、パワーウエイトレシオは1000kgあたりで652psのパワーという驚異的な数字が得られることになる。
ヴァルハラに搭載されるV型8気筒エンジンのクランクシャフトは、もちろんフラットプレーン型。すべてのシリンダーの燃焼は均一となり、よりシャープなレスポンスとパワーを最大限に引き出すことを可能にする。
カムシャフトやエキゾーストマニフォールドも専用部品で、ピストン重量も最適化されている。2個のターボはツインスクロールタイプで大型化されたコンプレッサーのほかに、ローラーベアリングマウント方式が採用されている。