【トヨタRAV4ヒストリー】原点は1989年のRAV-FOUR!木村拓哉CMの初代から5代目まで歴代モデル振り返り

公開 : 2025.05.26 11:45

6代目となる新型トヨタRAV4のワールドプレミア会場では、歴代のRAV4も展示されました。そこで、プロトタイプのコンセプトカーから現行型の5代目まで、RAV4の歴代モデルを篠原政明が紹介します。

歴代のRAV4を展示

5月21日、6代目となる新型トヨタRAV4のワールドプレミア会場では、歴代のRAV4も展示された。そこで、プロトタイプのコンセプトカーから現行型の5代目まで、RAV4の歴代モデルを簡単に紹介していこう。

会場に展示された初代トヨタRAV4(左)と現行型の5代目RAV4(右)。
会場に展示された初代トヨタRAV4(左)と現行型の5代目RAV4(右)。    平井大介

トヨタRAV-FOUR(1989年:コンセプトカー)

トヨタは、1989年の第28回東京モーターショーに『RAV-FOUR』(RAV4ではない)なるコンパクトなクロスカントリー4WD風のコンセプトカーを出展した。まだ、SUVやクロスオーバーというジャンルは定着していない時代だ。

当時の4WDといえばラダーフレームにFRベースでオフロード志向のいわゆるクロスカントリー(クロカン)タイプが主流。唯一、スバルがレオーネでセダンやツーリングワゴンをラインナップしていたくらいだ。

トヨタRAV-FOUR(1989年:コンセプトカー)
トヨタRAV-FOUR(1989年:コンセプトカー)    平井大介

そんな時代に乗用車と同じモノコック構造のコンパクトなボディに丸型2灯ヘッドランプやセミオープンスタイルを採用した、かなり先進的なモデルだった。

しかし、この1989年はトヨタ・セルシオ(初代)、日産スカイラインGT-R(R32)、ユーノス・ロードスター(NA)、スバル・レガシィなど、いまも注目されるクルマが数多く登場したビンテージイヤー。東京モーターショーでもトヨタ4500GT、三菱HSR-II、ホンダNSXなど、蒼々たるクルマが参考出品され、残念ながらRAV-FOURは目立った存在ではなかった。

初代トヨタRAV4(1994年)

RAV-FOURから4年後の1993年の東京モーターショーで、トヨタはコンパクト4WDのプロトタイプ『RAV4』を発表。ほぼそのままのスタイルで、翌1994年5月に発売された。

FF乗用車をベースにした、いわゆるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)のルーツに関しては諸説あるが、トヨタにおけるSUVのルーツは、この初代RAV4であるといわれている。

初代トヨタRAV4(1994年)
初代トヨタRAV4(1994年)    平井大介

コンパクトな3ドアハッチバックに2トーンのボディスタイルなどはコンセプトカーのRAV-FOURから踏襲されているが、異形角型2灯ヘッドランプにボディ同色グリルなど、顔つきはかなり異なっていた。販売店の関係で、『RAV4 L』(カローラ店)と『RAV4 J』(ネッツ店)があったが、ほとんど違いはなかった。

いままでのクロカン4WDとは異なる都会にも似合うスタイルに加えCMキャラクターに木村拓哉を採用した初代RAV4は若者を中心に大ヒット。その後、ホンダCR-Vや三菱パジェロiOなどのライバルが登場することになる。

また1995年にはロングホイールベースで5ドアの『RAV4 V』も追加設定され、ファミリー層からも人気を得る。1997年にはトヨタ初の市販電気自動車となった『RAV4 EV』も登場した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事