VW、新型EVに『IDポロ』の名称を正式採用 400万円台のエントリーモデル 2026年発売へ
公開 : 2025.09.04 18:45
フォルクスワーゲンは新型EV『IDポロ』のプロトタイプを初公開しました。ID.2allの量産バージョンで、来年エントリーモデルの電動ハッチバックとして発売される予定です。今後の名称戦略も明らかになってきました。
ポロ相当の電動ハッチバック
フォルクスワーゲンは、2026年に発売予定の小型EVを『IDポロ(ID.Polo)』と命名すると発表した。コンセプトカー『ID.2all』の量産バージョンで、価格は約2万2000ポンド(約440万円)からとなる見込みだ。
これは、今後のEVモデルに、馴染みのある名称を使用することを意味する。同ブランドのトーマス・シェーファーCEOは「ポロやゴルフといった名称は深く根付いています。品質、手頃さ、伝統を象徴しており、わたし達はこれらの特性をEVの時代へ引き継ぎたいと考えています」と述べた。

シェーファー氏がゴルフの名称に言及したことは、2020年代後半にID.3の後継車としてゴルフEVが登場するという以前の報道を裏付けるものである。
さらに、ID.4の後継車はIDティグアンへ、ID.7はIDパサートへと名称変更すると見込まれている。また、2027年発売予定の1万7000ポンド(約340万円)の小型ハッチバック『ID.Every1』コンセプトの量産バージョンは、IDアップまたはIDルポと呼ばれることになるだろう。
フォルクスワーゲンは来年初頭の正式発表に先立ち、新型IDポロのプロトタイプを9月9日に開幕するミュンヘン・モーターショーで披露する予定だ。
同ショーではクロスオーバータイプの派生モデルのコンセプトカーも併せて公開される。このモデルは『IDクロス』の名称を採用することが確定しており、Tクロスに相当するEVとして位置付けられる。量産バージョンは2026年末に発売される。
新しい命名法を採用
フォルクスワーゲン・グループ全体では、電動都市型車ファミリー(Electric Urban Car Family)として、IDポロ、IDクロス、スコダ・エピック、クプラ・ラヴァルの4車種を展開し、いずれもMEBエントリー・プラットフォームを基盤にパワートレインを共有する。
IDポロは38kWhおよび56kWhのバッテリーを選択可能で、後者は約450kmの航続距離を約束する。充電速度は最大125kWまで対応する。

フロントに搭載されるモーターは、4段階の出力レベルから選択できる。最もパワフルな仕様では226psに達し、最上位モデルは『IDポロGTI』を名乗る。GTIのバッジがEVモデルに採用されるのは今回が初めてだ。
IDポロのボディサイズは、全長4053mm、全幅1816mm、全高1530mm。これは従来の内燃機関(ICE)搭載ポロよりわずかに大きく、新型ルノー4 Eテックとほぼ同じ寸法となる。
車内には12.9インチのインフォテインメント・タッチスクリーンと10.9インチのデジタルドライバーディスプレイを採用。オーディオと空調制御には物理スイッチを配置する。
フォルクスワーゲンは次世代モデルのインテリアから接着剤と硬質プラスチックを全廃する方針だ。これは高級感の向上と環境負荷低減を目指す取り組みの一環だ。
IDポロとIDクロスの名称導入により、2020年のID.3発売以来続いてきたIDシリーズの数字による命名法は終了する。従来の命名法では期待したほどのわかりやすさを実現できず、EVとICE車の関係について顧客を混乱させることが多かったと、フォルクスワーゲンは自ら認めている。
今後のEVとICE車は名称を共有し、並行して販売されるものの、技術的には関連例がなく、それぞれ異なるデザインを採用することになる。













