【6MTで帰ってきた!】フィアット500ハイブリッドが11月に生産開始 欧州

公開 : 2025.07.10 07:45

フィアットは、新型500ハイブリッドの生産を2025年11月より開始します。エンジンは従来と同じ1.0L 3気筒のマイルドハイブリッド版で、6速マニュアル・トランスミッションも搭載される予定です。

いよいよ生産開始

フィアットは、新型の500ハイブリッドの生産を2025年の11月より開始すると正式に発表した。初公開されたオフィシャルフォトでは、刷新されたインテリアと6速マニュアル・トランスミッションが確認されている。

新型500ハイブリッドは、トリノのミラフィオーリ工場で年間10万台以上もの生産が見込まれており、ハッチバックとカブリオレの両モデルがラインナップされる予定だ。

フィアット新型500ハイブリッド
フィアット新型500ハイブリッド    フィアット

カモフラージュなしのプロトタイプ画像からは、電気自動車の500eとほぼ同一のデザインであることが確認できる。ただしガソリンエンジンの搭載にあたり、フロントグリルは冷却に適した形状へと変更されている。

エンジンは、既存の500やパンダに搭載されていた1.0L 3気筒のマイルドハイブリッド『Firefly』ユニットが採用された。

インテリアは500eと共通で、ステランティス製の10.25インチ・タッチスクリーンが標準装備となる。ダッシュボードにはより大型の収納スペースが追加され、シフトレバーは従来型の500と同様の位置に配置されている。

フィアットらしい大胆なソリューション

今回の新型500ハイブリッドは、EVベースの車両にエンジンをあとから搭載するという、欧州の自動車業界では類を見ない手法を採用している。2024年3月の複数の報道によると、この大胆な発想は2つの課題から生まれたようだ。

まず、フィアット500eとアバルト500eの販売不振を受け、ミラフィオーリ工場の生産効率の向上が必要となったことが挙げられる。この状況は、フィアットが昨年、生産を幾度か一時停止する要因ともなった。

フィアット新型500ハイブリッド
フィアット新型500ハイブリッド    フィアット

一方で、500ファミリーの販売の大部分を占めていたガソリンモデルの生産が終了したことも大きい。これは、発売から17年目を迎え、新たなEUのサイバーセキュリティ規制に適合しなかったためだ。

フィアットCEOのオリヴィエ・フランソワ氏はこの状況を受け、「500ハイブリッドの投入によりミラフィオーリ工場の生産性を確保します」と述べた。

さらに、「EVの売上低迷への対応として、新たに内燃機関モデルを復活させることは、社会的意義がブランドの使命の中心にあることの証です」とも語っている。

フィアットは、500e向けに1億ユーロ(約170億円)を投資し、新しいバッテリー技術を視野に入れたプラットフォーム再設計を進めている。これにより、EVの価格競争力を強化する狙いがある。

このことから、EV版のフェイスリフトも2026年前後に予定されている可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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