18年ぶりフルモデルチェンジ! フィアット新型『500ハイブリッド』発表 65psの1.0Lガソリンを6速MTで操る

公開 : 2025.11.25 12:05

フィアットが新型『500ハイブリッド』を発表しました。新プラットフォームへ移行し、最高出力65psのハイブリッドシステム、6速マニュアル・トランスミッション、新たな内外装デザインを採用しています。

コンバーチブル仕様も設定

フィアットから新型『500ハイブリッド』が発表された。最高出力65psのハイブリッド・パワートレインを搭載し、11月からすでに生産が始まっている。

外観はEVモデルの『500e』と共通で、ハッチバックとコンバーチブルの2種類のボディタイプが用意される。

フィアット500ハイブリッド
フィアット500ハイブリッド    フィアット

パワートレインの心臓部は1.0L直列3気筒エンジンと12Vバッテリーだ。先代モデルと似た構成だが、出力は5ps低下している。新型では6速マニュアル・トランスミッションを介して前輪に動力が伝達される。

0-100km/h加速タイムは16.2秒で、コンバーチブル仕様では17.3秒となる。最高速度は154km/hとされている。

公称燃費は22.5km/lで、先代モデルと同等だ。フィアットは「効率的な市街地走行」を主眼に置いて設計したと説明している。

先代モデルからの最大の変更点は、500eと同じプラットフォームへの移行だ。先代モデルは発売から17年が経過し、欧州連合(EU)の新たなサイバーセキュリティ規制に適合しなくなったため昨年生産を終了。旧型の構造を新規制に適合させるにはコストがかさむため、EV用プラットフォームに内燃機関を搭載するという異例の対応が最も費用対効果の高い解決策と見なされた。

EVモデルと同じ工場で生産

デザインとしては500eとほぼ同一だが、ガソリンエンジンへの空気供給量を確保するためフロントグリルが再設計されている。

インテリアは500eと共通で、ステランティスの10.25インチタッチスクリーンを搭載。ダッシュボードには大型で角張った収納スペースが設けられ、シフトレバーは先代モデルと同様、ステアリングホイール横に配置された。

フィアット500ハイブリッド
フィアット500ハイブリッド    フィアット

生産拠点はポーランドのティヒから500eと同じイタリアのミラフィオーリへ移る。500eとその派生モデルであるアバルト500eの販売が振るわず、昨年複数回にわたり生産ラインを停止した経緯があるため、フィアットはこの移管によりミラフィオーリ工場の生産性向上を図っている。

フィアットのオリビエ・フランソワCEOは以前、この課題について言及し、500ハイブリッドがミラフィオーリ工場の「生産性の確保」に役立つと述べていた。

フランソワ氏はさらに、EVの販売不振に対応して500ハイブリッドを投入することは、「社会的意義がブランドミッションの中核にあることの証左」だとした。

欧州仕様の500ハイブリッドの生産は先週開始された。英国向けの右ハンドルモデルは4月から生産開始予定だ。フィアットは年間10万台以上の生産を見込んでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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