【N-ONEとどう違う】軽乗用EV『ホンダN-ONE e:』はあざとすぎない?愛嬌あるデザインに込められた意図とは

公開 : 2025.07.28 11:05

7月28日、ホンダは今年秋に発売を予定している軽乗用EV(電気自動車)、『ホンダN-ONE e:』に関する情報をホームページで先行公開しました。ここでは篠原政明が、内外装のデザインについて紹介します。

ひと目見ただけでもわかる

7月28日、ホンダは今年秋に発売を予定している軽乗用EV(電気自動車)、『ホンダN-ONE e:』(エヌワン・イー)に関する情報をホームページで先行公開した。ここではデザインについて紹介する。

昨年秋に発売された軽商用EV『N-VAN e:』では、エンジン車のN-VANとボディパネルをほとんど共有化し、グリルなどに違いはあるものの、遠目に見たら見わけがつかないほど共通化されていた。

ガソリン車のN-ONEと異なり、生産終了した乗用車のホンダeを彷彿とさせるEVらしい顔つき。
ガソリン車のN-ONEと異なり、生産終了した乗用車のホンダeを彷彿とさせるEVらしい顔つき。    平井大介

しかし今回のN-ONE e:は少し変えてきた。往年の名車、ホンダN360をオマージュした丸目2灯風のヘッドランプが目をひくトールワゴンのスタイルは共通だが、パッと見ただけでエンジン車との違いはわかる。

例えば、N-ONEのボンネット中央部は、さながらポルシェ 911のように立体感のあるものだが、N-ONE e:ではフラットになっている。おそらくEVのパワートレーンを搭載するため、高さを稼いでいるのだろう。

それに呼応するかのようにフラットとなったフロントマスクもN-ONEと異なり、生産終了した乗用車のホンダeを彷彿とさせる、EVらしい顔つきといえる。

ヘッドランプ自体はN-ONE同様のリングライトだが、真円ではなく上をカットしているのがユニークだ。その内部に備わるHi/Loユニットは、N-BOX カスタムと共用の様子。

エクステリアデザインを担当したホンダの中島英一氏によれば、「シンプルながら愛着のわくN-ONEのデザインをベースに、EVならではのクリーンさを加えた」という。

あざとすぎない『カドマルシカク』によるN-ONE e:の顔つきは、愛嬌がありながら頼もしさも感じさせてくれるものだ。

3次元曲面ガラスを採用したリアまわり

EVがスーッと走るイメージからインスパイアされたというスタイリングにより、サイドビューは重心の高いテールゲートから前方に向かって動きのあるシルエットとしている。しかし、前後ドアとルーフパネルはN-ONEと共通のため、フロントビューほどN-ONEとの違いは感じられない。

圧巻なのは、リアビューだろう。テールゲートからリアウインドウ、そしてバンパーへと丸みを持たせた強く張りのある曲面で構成し、ふっくらと上質な立体感とスッキリした印象を与えているのだ。

テールゲートからリアウインドウ、そしてバンパーへと丸みを持たせた強く張りのある曲面で構成。
テールゲートからリアウインドウ、そしてバンパーへと丸みを持たせた強く張りのある曲面で構成。    平井大介

リアウインドウには3次元曲面ガラスを採用しており、これだけでもコストをかなりかけていることがわかる。ちなみに、フロントとサイドウインドーガラスはN-ONEと共通だ。

EVらしいクリーンさを出すために、凹凸のないスッキリとクリーンな形として圧迫感をなくし、リアガーニッシュはあえて非装着とした。さらにリアバンパーはフェンダーに沿って丸くしぼり、後ろからリアタイヤが見えるようにすることで、軽快ながらもどっしりと安定したスタンスを表現している。

N-ONE e:の外寸は公表されていないが、全長と全幅は軽自動車の規格いっぱい(3395×1475mm)、全高もN-ONEと変わらない(1545mm)と思われる。

そしてヘッドランプとデザインを呼応したテールランプも形状こそN-ONEのものと同じだが、ホワイトリングライトとしてEVのクリーンさを表現している。

ボディカラーは、訴求色である新色のチアフルグリーンをはじめ、全5色を設定。いずれも、ユーザーの気持ちを晴れやかにする、イキイキ軽快な色とされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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