「無駄のない」電動ピュアスポーツカー? 中国版ランチア・ストラトス クルマ好きの考えていることは皆同じ【UK編集部コラム】

公開 : 2026.03.18 17:05

中国のJMEVが開発した『SC01』は、無駄のない「本格電動スポーツカー」とされています。車重1300kg強と比較的軽量な設計で、ピュアな走りを追求。クルマ好きが求めるものは世界中どこも同じなのかもしれません。

中国人エンジニアが生んだ軽量EV

世界中の自動車愛好家は皆、同じ考え方をしているという証拠がまだ1つ増えた。最近、ある中国人エンジニアが水平対向8気筒エンジンをバイクに載せたのと同様に、別のエンジニアは、アルピーヌA110よりも小型で(比較的)軽量な電動スポーツカーを作ったのだ。

車重1365kgの『JMEV SC01』は「初めて作られた真の意味での電動スポーツカー」だと謳われる。

クルマ好きが求めるものは、世界中どこへ行ってもそう変わらないのかもしれない。
クルマ好きが求めるものは、世界中どこへ行ってもそう変わらないのかもしれない。

開発したエンジニアたちは、「一切の無駄を排除」し、「EVでもピュアで機械的な感覚を味わえることを証明したい」と語っている。これは、世界中どこのエンジニアでも口にするような言葉だ。

数十年前、欧米の自動車業界は、日本、そして後に韓国から参入してくる企業が、安価で退屈ながらも品質の高いクルマで市場を席巻するのではないかと恐れていた。

しかし今や、ヒョンデはEVに感情移入しにくい愛好家の心理を理解し、アイオニック5 Nを投入した。日本のメーカーは、ずっと以前から軽量スポーツカーに情熱を注いできた。ホンダはいち早くマン島TTレースへの参戦を決め(そしてたちまち大活躍し)、バイク愛好家の心を掴んだ。

クルマ好きの心はほぼ変わらない?

結局のところ、真のクルマ好きが求めているものはおおむね同じだ。それは「エンターテインメント」である。

産業レベルで見れば、国家の野心と規模に支えられた中国製造業の脅威は、おそらくこれまでで最も大きいだろう。それは、日本のバイクが英国の二輪車産業に与えたのと同じような打撃を、欧州の自動車産業全体に与える可能性がある。

JMEV SC01
JMEV SC01

しかし、もっと小規模で個人的なレベルでは、ただ単に「クルマ好き」たちが「クルマ好きらしいこと」をしているだけだ。実際に目にしたこともなければ、ましてや運転したり重量を測ったりしたこともないが、SC01は、中国人エンジニアがわたし達とまったく同じことに心を躍らせるのだということを示している。

筆者は最近SNSで、日本に住むある男性の冒険を追っている。彼は小さな町のガレージにピカピカに磨き上げられたロータスMk6を保管し、週末になるとそれを駆って美しい日本の山々へ出かけ、同じく素敵な英国製クラシックカーを所有する仲間たちと会っているのだ。

数年後、もしかしたら筆者も南京出身の誰かと同じようなことをしているかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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