英国版『タイプR』登場? 軽量ボディに800馬力、高性能EVコンセプト ヴォグゾール

公開 : 2025.08.25 06:45

ヴォグゾールは新開発のEVコンセプト『コルサGSEビジョン・グランツーリスモ』を公開しました。サブブランドであるGSEの「目指す方向性」を体現するモデルで、合計出力800psのデュアルモーターを搭載しています。

イメージ刷新を図る実験的モデル

英国の自動車ブランドであるヴォグゾールは、高性能EVのコンセプトカー『コルサGSEビジョン・グランツーリスモ(Corsa GSE Vision Gran Turismo)』を公開した。

量産化の予定はないが、今後展開していくサブブランド『GSE』のポテンシャルをアピールするもので、車重1170kgのハッチバックボディに、合計出力800psのデュアルモーターを搭載している。

ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ
ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ    ヴォグゾール

プレイステーションのレースゲーム『グランツーリスモ』向けに開発された実験的なコンセプトカーだが、来年欧州で発売予定の新型コルサ(7代目)のデザイン要素も一部取り入れているという。

ヴォグゾールのデザイン責任者であるマーク・アダムスはAUTOCARの取材に対し、「適切なパフォーマンス」を備えた「手の届くポスターカー」を作り、「ブランドに対する人々の見方を変える」と同時に、若い世代にもアピールすることを目指したと語っている。

将来のデザイン方向性を予告

このコンセプトカーは、ヴォグゾールの親会社であるステランティスが開発中のSTLAスモール・プラットフォームを採用している。

ブランドの主力モデルとして英国で親しまれている『コルサ』の名前を付けたことには、ある意図があるのだという。

ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ
ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ    ヴォグゾール

「コンセプトモデルを作るとなると、全高1m、全長5mといったものになることが多い。空想としては素晴らしいですが、人々にとって本当に意味があるのでしょうか? 『コルサ』のバッジを付けると、にわかに現実味を帯び始め、コンパクトなモデルになるのです」とアダムス氏は説明する。

注目すべきは、82kWhと大容量のバッテリーを採用している点だ。現行のEVモデルであるコルサeでは52kWhが最大だ。

エクステリアデザインは過激なものだが、将来の量産車を念頭に置いた要素も見られる。例えば、ライトには『コンパス(Compass)』と呼ばれるヴォグゾールのシグネチャーを取り入れている。

また、フロントエンドの『バイザー(Vizor)』デザインも再設計されている。現行型はブラックのパネルを使用しているが、コンセプトカーではデイタイム・ランニング・ライトを内蔵した透明のパネルとなっている。ブランドのモチーフであるグリフィンも点灯する。

アダムス氏によると、伝統的なデザインと新しい要素の融合を模索しているようだ。

インテリアは簡素なものだが、斬新なアイデアも見ることができる。例えば、バケットシートは大きく2つに分割されており、背もたれはロールケージから吊り下げられ、シートはフロアに固定されている。これにより「クルマの中で最も重い部品の1つ」が大幅に軽量化されたという。

タッチスクリーンは一切搭載されておらず、少数の物理スイッチのみが備わっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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