アーカンソーの森の中に隠されたクラシックカー 20選 ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.08.24 18:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、アーカンソー州の鬱蒼とした森の中を散策し、1950~1980年代の希少なクラシックカーを見て回りました。

広大な敷地内に眠る廃車

米国アーカンソー州アーカデルフィアにあるジャンクヤード『ユナイテッド・オート・セールス・アンド・サルベージ(United Auto Sales and Salvage of Arkadelphia)』は、敷地内が大きく2つのエリアに分かれている。

わたし達取材班が訪問した時、道路に一番近い正面のエリアには、比較的新しい車両が並んでいた。しかし、その裏手には、何百台ものクラシックカーが広大な森の中に点在していた。わたし達は迷路のような未舗装の道を走り回り、その間を縫うように進んだ。それでも、もっと珍しい車両を見るには、コースを外れて茨や蚊と格闘するしかなかった。

アーカンソー州のジャンクヤードで見つけた、希少なクラシックカーを20台紹介する。
アーカンソー州のジャンクヤードで見つけた、希少なクラシックカーを20台紹介する。

『ユナイテッド・オート・セールス』

困ったことに、取材班は閉店45分前に現地に到着したため、敷地内を文字通り駆け回らなければならなかった。森の中で道に迷い、携帯電話のGPSを使って入口に戻るというハプニングもあったが、なんとか時間ギリギリでヤードを出ることができた。

この素晴らしい場所をもっとじっくりと探索したかった。見逃した車両がまだたくさんあるからだ。

『ユナイテッド・オート・セールス』は米国アーカンソー州にあるジャンクヤードだ。
『ユナイテッド・オート・セールス』は米国アーカンソー州にあるジャンクヤードだ。

フォードマスタング(1979年)

このフォード・マスタングは、ジャンクヤードの手前側(道路に近い方のエリア)で撮影したものだが、フロントガラスに積もった葉の様子から判断すると、おそらく森から引き出されたばかりだったのだろう。これは3代目の初期型で、1980年に製造されたものと思われる。この年、27万1322台が販売された。

ルーフはひどく変形しているが、ここではこのような状態の車両が数多く見られた。

フォード・マスタング(1979年)
フォード・マスタング(1979年)

ダットサン200SX

米国以外の市場ではS10シルビアとして販売されていたダットサン200SX。1976年に発売された当時、4399ドルで1.8L 4気筒エンジンを搭載する低価格車だったが、外観はあまり好まれなかった。販売はそれほど好調ではなく、4年間の販売期間で14万5000台が販売された。

ダットサン200SX
ダットサン200SX

ビュイック・リーガル(1977年)

1977年に販売された19万2506台のビュイック・リーガルのうち、実に17万4000台以上がこの個体のような2ドア・クーペだった。車重1666kg と重めで、3.8L V6エンジンを駆使しても0-100km/h加速に16秒以上かかり、追い風があっても最高速度は160km/hに達しなかった。もう少しパワーを求める人は、最高出力170psの5.7L V8エンジンを選ぶ必要があった。こちらは、0-100km/h加速タイムを5秒短縮できた。

ビュイック・リーガル(1977年)
ビュイック・リーガル(1977年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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