狙うは初代級インパクト ポルシェ・カイエン・エレクトリック(1) 完成間際の最新技術を概説
公開 : 2025.09.01 19:05
電動の新世代カイエンが完成間際 目指すは初代へ並ぶインパクト マカン・エレクトリック似のデザイン 気が遠くなるほどの速さ 期待通りの姿勢制御と敏捷性 UK編集部が試作車へ試乗
目指すは22年前の初代へ並ぶインパクト
ポルシェ・カイエン・エレクトリックの重要性に、疑う余地はない。灼熱のスペインで開発チームと一緒に、筆者が運転したバッテリーEVが、まさにそれだ。
完成前のプロトタイプではあった。しかし、ポルシェの新たなランドマークになることは間違いないだろう。22年前の初代へ並ぶインパクトが、意欲的に目指されている。正式発表は、2025年11月になるという。

基礎骨格は、フォルクスワーゲン・グループが開発したプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック。マカン・エレクトリックも同じ構造を採用するが、ボディサイズに合わせて拡大されている。
ただしカイエン・エレクトリックは、エンジンで走る3代目と当面は並行して販売される。EVの普及が想定より遅いからだ。MLBプラットフォームをベースとするあちらも、2026年にフェイスリフトが予定されている。
マカン・エレクトリック似のデザイン
発表前ということで、試乗車のボディは軽くカモフラージュされていたが、マカン・エレクトリックと似たスタイリングであることは想像できる。同時に、フレームレスウインドウやフラットなドアハンドルなど、3代目とはしっかり差別化されてもいる。
横へ長い台形のヘッドライトや、カバーされたフロントグリルといった特徴は、マカンと共有。ホイール周辺の気流を整えるエアカーテンや、駆動用モーターとブレーキを冷却するアクティブ・エアインテークも備わる。

ボディスタイルは2種類。従来どおり通常のワゴンと、クーペから選べるという。全長は4979mmで、3代目から僅かに拡大。ホイールベースも35mm伸び、3020mmとなる。
ツインモーターでターボは816ps 最長600km
駆動用モーターは、ボッシュ社から供給される永久磁石同期ユニットをフロントに採用。リアには、ポルシェ独自の同形式ユニットが、2速ATと一緒に搭載される。
最高出力は、ベースグレードで総合405ps。その上のSが608psで、ターボでは816psが主張される。駆動用バッテリーは韓国LG社製のセルを採用し、容量は108kWhと大きいが、軽くはないはず。フロア下に敷かれ、航続距離は最長600kmとのこと。

急速充電は最大400kWと、超高速。最短16分で、残量10%から80%まで回復できるという。充電ポートは、リアの左右へそれぞれ備わる。
ポルシェらしく理想的な運転姿勢 広々車内
インテリアは、電動プラットフォームのメリットが如実に表れている。空間は前後席とも広々としており、荷室容量は781L。後席の背もたれを倒せば、1588Lへ拡大できるとのこと。前方のボンネット下にも、90Lの収納がある。
運転姿勢は、ポルシェらしく理想的。シートのサポート性は秀抜で、調整域もかなり広いと感じた。メーター用モニターはワイドで、緩くカーブを描く。

ダッシュボードなどは厚い布地で隠されていたが、従来より内装の豪華さは増すらしい。センターコンソールは宙に浮いたようなデザインで、インフォテインメント用タッチモニターは、マカン・エレクトリックと近いように見えた。
試乗車へ装備されていたパノラミックガラスルーフは、電子的に透明度を調整可能。アンビエントライトも備わった。多くのオプションも含まれていたはずだが。
走りの印象とスペックは、ポルシェ・カイエン・エレクトリック(2)にて。





























































































































































































