ホットハッチ濃度強めるMダイナミック BMW M135 xドライブ サス&シャシーをアプデ

公開 : 2025.09.04 19:05

Mダイナミック・パッケージが追加設定された、フェイスリフト後のM135 即座に反応するフロントノーズ 4気筒ターボは6psダウン 7速DCT獲得 運転体験の奥行きは深い UK編集部が試乗

Mダイナミック・パッケージを追加設定

BMWは、前輪駆動になった1シリーズの磨き込みにも手は抜かない。M135i xドライブが発売されて2年後の2022年には、サスペンションのアップデートが施された。

1シリーズ全体も、2024年にフェイスリフトを受けた。M135では「i」が省かれ、アンダーボディの剛性を向上。サスペンション・スプリングやアンチロールバーは引き締められ、スタビリティ・コントロールは再調整されている。

BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)
BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)

また、Mコンパウンド・ブレーキに19インチ鍛造ホイール、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ、Mスポーツシートが付随する、Mダイナミック・パッケージが追加されたこともトピック。お値段は、英国では3000ポンド(約59万円)とお安くないが。

加えて、テクノロジー・パッケージも一緒に選ぶ必要があり、この状態での総額は4万9475ポンド(約980万円)。フォルクスワーゲン・ゴルフ Rより僅かに高額ながら、車内の高級感では勝る。ゆったりしたドライビングポジションで運転もできる。

即座に反応するフロントノーズ 奥行きは深い

果たして、その変化は? 試乗車には、別費用のパイロットスポーツ・カップ2タイヤが履かされており、パッケージ単体での走りを確かめることは難しかった。だが、ホットハッチとして一層シリアスになったことは間違いない。

ステアリングレシオはクイックではないものの、旋回時の反応は見事。サスペンションは滑らかに衝撃を吸収し、両腕の操作に対し、即座にフロントノーズが反応する。

BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)
BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)

反面、ステアリングホイールには余計な振動が届かないが、フィードバックも限定的。フロントタイヤのグリップ状態を、感覚的に探ることは難しい。重み付けは丁度良く均一ながら、負荷が増しても変化は殆どない。

それでも、運転体験の奥行きは従来より深い。スポーツプラス・モードを選ぶと、アクセルオンで穏やかなオーバーステア。オープンデフで四輪駆動システムはシンプルだから、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能が働いているのだろう。

4気筒ターボは6psダウン 7速DCT獲得

他方、ゴルフ RやアウディS3は電子制御リミテッドスリップ・デフがリアに組まれ、トルクスプリット機能が与えられている。パワー分配による一層ダイナミックな身のこなしを、1シリーズが獲得しても良かった。

ダンパーもアダプティブではない。通常の1シリーズと比べて、乗り心地が明確に悪いわけではないものの、優れるわけではない。衝撃の角は丸いが、高速域でも落ち着きは乏しい。ゴルフ Rなら、モード次第で穏やかなクルージングへ興じることもできる。

BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)
BMW M135 xドライブ Mダイナミック・パッケージ(英国仕様)

2.0L 4気筒ターボエンジンは、フェイスリフト前から6psと5.1kg-mダウンし、300psと40.7kg-mになった。0-100km/h加速は4.9秒と、不足なく速いままだが。

エンジンやエグゾーストの響きは、気持ちを高ぶらせるほどではなくても、滑らかでたくましい。トランスミッションは、7速デュアルクラッチへ変更。シームレスさでは従来の8速ATに届かないが、ホットハッチのM135との相性は良い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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