毎日が安楽という訴求力 ボルボXC60 プラグインHV(2) UK編集部が賞味期限を感じる部分とは?
公開 : 2025.08.27 19:10
歴代で最も人気を集める2代目XC60が更新 新鮮味は限定的でも美しい 落ち着ける車内空間に縦長タッチモニター 安楽に毎日を過ごせるプラグインHV らしい操縦性と姿勢制御のバランス UK編集部が試乗
安楽に毎日を過ごせるプラグインHV
延命処置を受けた、2代目ボルボXC60。プラグイン・ハイブリッド(HV)はT6とT8の2種類があるが、どちらを選んでも流れの速い道を小気味よく走れ、安楽に毎日を過ごせるはず。
キャビンの防音が強化され、従来より洗練性も高められている。2.0L 4気筒ガソリンターボエンジンが始動しても、車内は静寂なまま。回転の滑らかさも、増したように感じられる。

特に、システム総合で455psを発揮するT8は、ボルボへ期待する以上に速い。駆動用バッテリーは18.8kWhあり、電気だけで現実的に60kmほどは走れる。
他方、2.0Lガソリンターボ・マイルドHVで250psのB5は、燃費が10.5km/hほど。ガソリンスタンドへ立ち寄る回数は、少なくなさそうだ。
ボルボらしい操縦性と姿勢制御のバランス
乗り心地は、アダプティブ・エアサスペンションを装備するXC60の限り、非常に良好。21インチ・ホイールを履いていても、スウェーデンの舗装は滑らかだったこともあり、とても平静だった。
操縦性と姿勢制御は、ボルボらしいバランス。精彩な敏捷性を備えるわけではないものの、充分に納得できる範囲だろう。通常のダンパーの乗り心地は試せていないが、従来と大きく違わなければ、天候を問わず高速道路でも頼もしいSUVであるはず。

ドライブモードをパワーにしても、運転体験がスポーティになるわけではなく、穏やかな運転スタイルへ向いている。高級感が増した内装と相まって、熟成度が高められた印象を伴う。ボルボ・ファンの共感を誘えるはず。
XC60の価格は、ベースグレードのコアで英国では約5万ポンド(約975万円)から。トップグレードのウルトラでは、ボディトリムが通常のクローム仕上げか、ダークポリッシュ・ブラックから選べる。ただし、ウルトラを指定できるのはT8のみだ。
8年が過ぎても充分な競争力
2017年の登場から、8年が過ぎるXC60。巧妙に月日を重ねてきたといえ、今でもライバルに伍する競争力を備える。美しいスタイリングや、実用性に優れ上質なインテリアなどは、その筆頭。走りの滑らかさも、明らかに改善された。
一方、パワートレインは賞味期限が近づいてきた印象。2024年の欧州では最も売れたプラグインHVに輝いたが、一層のアップデートを加えない限り、より厳しい環境規制「ユーロ6e-bis」の認証取得は厳しいだろう。

競合ブランドは、世代交代を進めている。次期の環境規制に対しても、準備は整えられつつある。
それでも、心地良いキャビンに包まれながら、安楽に移動できるファミリーSUVとして、XC60は確かなポジショニングを今も堅持している。ドライバーの気持ちを積極的に刺激することはないかもしれないが、まだ訴求力に不足はない。
◯:快適な乗り心地 実用性の高い車内空間 高速道路での洗練性
△:運転体験は少し前時代的 燃費の良くないマイルドHV CO2排出量で有利ではないプラグインHV インフォテインメント・システムの操作性は改善できる












































































































































































