最新顔に上級インテリア プジョー2008 ハイブリッド(1) 小改良後のハードをチェック

公開 : 2025.09.22 19:05

フェイスリフトで最新プジョー顔を得た2008 製造品質に優れ高級感ある内装 EVのe-2008より鋭いダッシュ力 扱いやすいステアリングに穏やかな乗り心地 UK編集部が試乗

確実に販売数と収益性を狙うなら?

昨今の自動車市場で、確実に販売数と収益性を狙うなら、小さなクロスオーバーを投入するのが得策といえる。維持費はハッチバック並みに抑えられ、少し余裕のある実用性を与えられ、近年の流行にも乗れる。プジョー2008は、この分野を牽引する1台だ。

現行は2代目で、登場は2019年。プジョーのコモン・モジュラー・プラットフォーム(CMP)を基礎骨格とし、バッテリーEV版のe-2008もラインナップする。

プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)
プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)

このクラスには、ルノー・キャプチャートヨタヤリス・クロスなど強敵が多い。今回は、ハイブリッド版の実力を探ってみよう。

装備充実 フェイスリフトで最新プジョー顔

エンジンは、1.2L 3気筒の「ピュアテック」ターボガソリン。ハイブリッド145では、28psの電気モーターを内蔵した、6速デュアルクラッチATが組み合わされる。駆動用バッテリーは電圧48Vの0.9kWh。回生機能を備え、減速時などに充電できる。

トリムグレードは、英国ではアリュール、GT、GTプレミアムの3段階。廉価グレードのアリュールでも、17インチのダイヤモンドカット・ホイールにパーキングセンサー、10インチのタッチモニターなど、装備は充実している。

プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)
プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)

GTへステップアップすると、LEDヘッドライトにバックカメラ、レザー内装などが追加。トップグレードには18インチ・ホイールにアルカンターラ張りのシート、アダプティブ・クルーズコントロールなどが与えられる。

スタイリングは、2023年にフェイスリフト。縦に長い3本の「ライオンクロー」デイライトと、細かなグラフィックのグリル、大きなロゴなど、最新のプジョー顔を得た。引き締まった全体の印象は、従来どおりだろう。

製造品質に優れ高級感ある内装

2008は208に次ぐプジョーのお手頃モデルで、車内には硬いままの樹脂製部品が少なくない。それでも、ドアやダッシュボードはソフトタッチ加工され、クロスやラバーを巧みに組み合わせ、高級感を生み出すことに成功している。内装の製造品質も高い。

ダッシュボード上には、充分なサイズのタッチモニター。その下へ、デフロスターなどの機能が割り当てられたタッチセンサーが並ぶ。フィードバックがなく、直視なしでの操作は難しいが。

プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)
プジョー2008 ハイブリッド145 GT(英国仕様)

インフォテインメント・システムは概ね操作しやすく、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。純正の英国仕様のナビは、若干扱いにくく感じた。送風位置の変更など、一部のエアコンの機能もタッチモニター上で操作する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

プジョー2008 ハイブリッドの前後関係

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