100年の毅然 ザ・ロールス・ロイス(1) ニューファントムとファントム II 品質が醸成した名声

公開 : 2025.10.04 17:45

ファントム IIへ進化 ベントレーへ対抗

前時代的なニューファントムを置き換え、ロールス・ロイス本来の先進性を得たのが、1929年発売のファントム II。リーフスプリングのサスペンションは一新され、車高が低くなり、先代の後期型のように油圧ダンパーを獲得している。

6気筒エンジンは、新しいマニフォールドとクロスフローヘッドの採用などで増強された。当時の同社は、正式な数字を公表していないが。トランスミッションはエンジンと一体化され、トルクチューブは廃止されている。

ロールス・ロイス・ファントム II(1929年~1935年/英国仕様)
ロールス・ロイス・ファントム II(1929年~1935年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

今回のファントム IIは、HJマリナー社のボディによるコンチネンタル・スポーツサルーン。新しいベントレー8リッターへ流れる顧客を引き止めるべく生まれたのが、この軽量・スポーティな仕様だった。

現オーナーはティム・マルティン氏で、2022年に購入している。ナンバーは当初からGP 55で、登録は1931年。下着のコルセットの販売で財を成した、英国のアレン夫妻が購入したが、夫の死後、1935年に売却された。

大陸を跨ぐ旅行への準備は万全

数名の所有者を経て、マルティンはレストア。本来の狙い通り、積極的に道へ駆り出されている。高速道路も余裕な、グランドツアラーとしての能力へ魅了されている。

スペアタイヤは2本備え、ピクニックテーブルとスーツケースを載せられる荷室があり、キャビンは大人4名がゆったり過ごせる。コンチネンタルという名の通り、大陸を跨いだ旅行への準備体制は万全。130km/hで、1日中巡航も可能だという。

ロールス・ロイス・ファントム II(1929年~1935年/英国仕様)
ロールス・ロイス・ファントム II(1929年~1935年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

「それでも、回転数は2000rpmほど。オーバードライブを追加したので、160km/hも余裕です」。とマルティンが微笑む。ツヤツヤのウッドパネルに、ガラス張りのメーターパネルが収まり、4速のシフトレバーは右膝の横。印象はベントレーに近い。

エンジンは頼もしく回り、響きはスポーティ。優れたシャシーで、旋回速度は戦前のサルーンとしては驚くほど。別荘への小旅行を誘われたら、断る理由はないだろう。

ニューファントムとファントム II 2台のスペック

ロールス・ロイス・ニューファントム(1925~1931年/北米仕様)

英国価格:1850ポンド(シャシー/新車時)/50万ポンド(約9900万円/現在)以下
生産数:3512台
最高速度:144km/h
0-97km/h加速:−秒
燃費:−km/L
車両重量:−kg
パワートレイン:直列6気筒7668cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:非公表
最大トルク:非公表
ギアボックス:3速・4速マニュアル(後輪駆動)

ロールス・ロイス・ファントム II(1929年~1935年/英国仕様)

英国価格:1850ポンド(シャシー/新車時)/50万ポンド(約9900万円/現在)以下
生産数:1681台
最高速度:160km/h
0-97km/h加速:−秒
燃費:−km/L
車両重量:−kg
パワートレイン:直列6気筒7668cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:非公表
最大トルク:非公表
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

この続きは、100年の毅然 ザ・ロールス・ロイス(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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