CX-60ディーゼルを通じて考えるマツダの現在地と未来【日本版編集長コラム#51】

公開 : 2025.10.12 12:05

新エンジン『スカイアクティブZ』

また同時に質問した、既に欧州で発表された新型CX-5の日本導入時期に関する広報の回答を掲載しよう。CX-5はモデル末期でも売れ続けているマツダの稼ぎ頭で、今年の4~9月は9997台で前年同期比103.8%、ランキングは31位となっている。ディーゼルの搭載も気になるところだ。

『日本の導入時期については、適切な時期にお伝えさせて頂きます。欧州を含め、グローバルで2.5Lガソリンのみの設定です。2027年中にSKYACTIV-Zと組み合わせたハイブリッドモデルを導入予定です』。

7月10日に欧州で発表された新型マツダCX-5。日本発表もそう遠くないはずだ。
7月10日に欧州で発表された新型マツダCX-5。日本発表もそう遠くないはずだ。    マツダ

そう、スカイアクティブZ! である。試しにネットで検索すると、『SKYACTIV-Zへの挑戦 エンジンに夢と可能性がある限り ―内燃機関を磨くマツダの電動化戦略―』という、マツダの公式HPにあるエンジニアのインタビューへとたどり着く。

このタイトルを見たとき、『楽観視はできないが、マツダの未来を期待してもいいのではないか』、そう直感した。

1920年に創業したマツダの歴史が、苦難と挑戦の繰り返しであることは、よく知られている話だ。それを乗り越えてきたからこそ、今こうして素晴らしいラインナップを取り揃えている。

考えて欲しい。世界で唯一ロータリーエンジンを作っていて、30年以上オープンスポーツカーを作り続けて、そして電動化全盛の中でディーゼルエンジンも進化の手をやめないメーカーが、果たして他に存在するかと。

2012年の初代CX-5登場以来、約13年取材を続けてきて、そこで関わった広島の人々は皆さん温かい方ばかりであった。だから、贔屓と言われてもなんでも、この苦難を今回も乗り越えて欲しいと心から願っている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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