マツダなど4社が次世代バイオディーゼル体験会開催!今こそ理解しておきたい現状と課題【EVに代わるものではない】
公開 : 2025.09.01 12:05
8月中旬、いすゞ自動車、平野石油、マツダ、ユーグレナの4社は合同で、法人企業、官公庁に向けた『次世代バイオディーゼル体験会』を開催。一部メディアも参加しました。当日のプレゼンなどを元に桃田健史が現状と課題をまとめます。
次世代バイオディーゼルとは?
8月中旬、いすゞ自動車、平野石油、マツダ、ユーグレナの4社は合同で、法人企業、官公庁に向けた『次世代バイオディーゼル体験会』を開催。一部メディアも参加した。
そう言われても「次世代バイオディーゼルって、なんのこと?」と思う人がいるだろう。または「それって、CX-60やCX-80の販売促進イベントってことでしょ」と冷ややかな目で見る人もいるかもしれない。

ところが、今回の体験会に参加した法人企業(37社)や行政・自治体関係者(12名)は次世代バイオディーゼルに対する意識が変わったに違いない。国、エネルギー供給事業者、エネルギー開発会社、金融大手などが次々と登壇し次世代バイオディーゼルの重要性を強調したからだ。
では、順に話を進めていこう。最初は、自動車を取り巻くエネルギー関連の現状についてだ。キーポイントは、カーボンニュートラルである。
カーボンニュートラルとは、産業界や自然界など地球上で排出される主にCO2(二酸化炭素)に対して、CO2そのものの排出量を減らす、またはCO2を回収、再利用、貯蔵するなどして、地球全体で見てCO2排出をプラスマイナスゼロにするという概念だ。
このカーボンニュートラル自体が理想論のようで、なんだかフワフワした目標というイメージを持っている人が少なくないだろう。ところが、近年はカーボンニュートラルが企業の経営に大きく影響してきており、特に自動車産業界においては『待ったなし』という厳しい状況にある。
その解決策が、EVシフトであり、また次世代バイオディーゼルなどの新しい液体燃料なのだ。
EVシフト失速の恩恵?
カーボンニュートラルが世界で注目されたのは、2015年にフランス・パリで開催された国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)が採択した『パリ協定』だ。
この中で提唱された『1.5度目標』を達成するため国や地域が、民間企業を巻き込んだ動きに出た。これは、産業革命前と比較して地球全体の平均温度上昇を1.5度に抑制することを指す。

その達成に向けて、日本を含めて『2050年カーボンニュートラル』を掲げていることは、自動車ユーザーの間でも広く知られていると思う。こうした世の中の流れを受けて、巨額の投資マネーも動き出しており、これが自動車メーカーを直撃している状況だ。
これまでの自動車メーカーの経営は、より多くのクルマを製造し、販売網により多くのクルマを卸売り販売することが、売上げを上昇させ、企業としての儲けを示す営業利益を上げるという考え方だった。
そんな財務情報だけではなく、環境、ソーシャル(企業としての社会性)、ガバナンスを重視した『ESG投資』がパリ協定をキッカケに世界で大きな嵐を吹かせた。
結果的に、欧米ではあまりに急激なEVシフトが市場の需要とミスマッチを招いてしまい、現状では『EVは踊り場』と言われている状況だ。
だからといって、EVに代わって今度は次世代バイオディーゼルシフトが進むというわけでもない。重要なのは、環境対応と経済活動のバランスだ。
























