発見! ポルシェ秘蔵のコレクション(前編) 計画中止となった「幻」のプロトタイプ
公開 : 2026.01.01 11:25
ドイツ・シュトゥットガルトには、普段見ることのできない数百台の貴重なポルシェがひっそりと保管されています。ワンオフのテスト車両から歴史的なレーシングカーまで、秘蔵のコレクションを一部だけご紹介します。
もくじ
ー秘密の倉庫に隠されたポルシェの「歴史」
ーポルシェ・タイプ60(1938年)
ーフォルクスワーゲン・バス(1949年)
ーポルシェ550スパイダー(1953年)
ーポルシェ597ヤークトヴァーゲン(1955年)
ーポルシェ911Sタイプ915(1970年)
ーポルシェ911カレラRSRターボ2.1(1974年)
ーポルシェ924レコードカー(1976年)
ーポルシェ935(1976年)
ーポルシェ・タイプ995(1978年)
ーポルシェ924カレラGTR(1980年)
ーヘス・ポルシェ シングルトラック356(1980年)
ーポルシェ959風洞実験車両(1982年)
ーポルシェ959コンセプト(1983年)
秘密の倉庫に隠されたポルシェの「歴史」
ポルシェは、一般の人々にはめったに見せることのない貴重なコレクションを保存・維持している。
その秘蔵の品々は、ドイツ・シュトゥットガルト郊外の何の変哲もない建物に保管されている。何百台もの車両(プロトタイプ、ワンオフ車、レーシングカーなど)が隠されており、時折、モーターショーや新車発表会などの特別なイベントのために持ち出される。

AUTOCAR英国編集部は、この貴重なコレクションを管理する担当者アレクサンダー・クライン氏に依頼し、施設を見学させていただいた。本特集では、おそらく多くの人が今まで見たことないであろう、素晴らしいポルシェをいくつか紹介しよう。
(翻訳者注:この記事に記載されている情報は、AUTOCAR英国編集部による訪問時のものです。現在では保管車両や状態が変化している場合があります)
ポルシェ・タイプ60(1938年)
ポルシェを「大衆車」と呼ぶのは少し無理があるが、同社の創業者フェルディナンド・ポルシェ氏(1875-1951)は、自身の名を冠したスポーツカーを作る前に、初代のフォルクスワーゲン・ビートルを開発した。彼は1936年に最初のテスト車両を製作し、1938年に量産プロトタイプを完成させた。この車両は『タイプ60』と呼ばれ、後に量産化されると『ビートル』の愛称で親しまれることになる。

タイプ60は量産型ビートルと非常によく似ており、ボディ形状からリアに搭載された空冷式直列4気筒エンジンに至るまで、数多くの共通点がある。高級車ですら3速で妥協していた時代に、4速マニュアル・トランスミッションを装備するという斬新な存在だった。フェルディナント・ポルシェ氏は1948年に製作したミドシップエンジン搭載のタイプ356に、ビートルの水平対向4気筒エンジンの改良型(最高出力35ps)を搭載した。

フォルクスワーゲン・バス(1949年)
ポルシェは商用バンには手を出さなかったため、レースのサポート車両は他社から調達していた。初代フォルクスワーゲン・バスは頑丈で安価、維持費も比較的安いため人気だった。ポルシェは積載量を増やすためにこの車両のルーフを高く改造し、オリジナルにはない独自のボディスタイルを生み出した。

ポルシェ550スパイダー(1953年)
ポルシェ550スパイダーはレース用に設計された。約540kgの車体に110psの水平対向4気筒エンジンを搭載し、1950年代のレースで大活躍を見せた。生産終了後も長年にわたり勝利を重ね続けた。
今日でもそのレースの血統は忘れられていないが、550スパイダーはレースよりもショービジネスと結びつけられることが多い。これは1955年に米国人俳優ジェームズ・ディーンが亡くなった事故との望まぬ関連性によるものだ。






































