発見! ポルシェ秘蔵のコレクション(前編) 計画中止となった「幻」のプロトタイプ

公開 : 2026.01.01 11:25

ドイツ・シュトゥットガルトには、普段見ることのできない数百台の貴重なポルシェがひっそりと保管されています。ワンオフのテスト車両から歴史的なレーシングカーまで、秘蔵のコレクションを一部だけご紹介します。

秘密の倉庫に隠されたポルシェの「歴史」

ポルシェは、一般の人々にはめったに見せることのない貴重なコレクションを保存・維持している。

その秘蔵の品々は、ドイツ・シュトゥットガルト郊外の何の変哲もない建物に保管されている。何百台もの車両(プロトタイプ、ワンオフ車、レーシングカーなど)が隠されており、時折、モーターショーや新車発表会などの特別なイベントのために持ち出される。

シュトゥットガルト郊外にあるポルシェ秘蔵のコレクションをいくつか紹介する。
シュトゥットガルト郊外にあるポルシェ秘蔵のコレクションをいくつか紹介する。

AUTOCAR英国編集部は、この貴重なコレクションを管理する担当者アレクサンダー・クライン氏に依頼し、施設を見学させていただいた。本特集では、おそらく多くの人が今まで見たことないであろう、素晴らしいポルシェをいくつか紹介しよう。

(翻訳者注:この記事に記載されている情報は、AUTOCAR英国編集部による訪問時のものです。現在では保管車両や状態が変化している場合があります)

ポルシェ・タイプ60(1938年)

ポルシェを「大衆車」と呼ぶのは少し無理があるが、同社の創業者フェルディナンド・ポルシェ氏(1875-1951)は、自身の名を冠したスポーツカーを作る前に、初代のフォルクスワーゲンビートルを開発した。彼は1936年に最初のテスト車両を製作し、1938年に量産プロトタイプを完成させた。この車両は『タイプ60』と呼ばれ、後に量産化されると『ビートル』の愛称で親しまれることになる。

ポルシェ・タイプ60(1938年)
ポルシェ・タイプ60(1938年)

タイプ60は量産型ビートルと非常によく似ており、ボディ形状からリアに搭載された空冷式直列4気筒エンジンに至るまで、数多くの共通点がある。高級車ですら3速で妥協していた時代に、4速マニュアル・トランスミッションを装備するという斬新な存在だった。フェルディナント・ポルシェ氏は1948年に製作したミドシップエンジン搭載のタイプ356に、ビートルの水平対向4気筒エンジンの改良型(最高出力35ps)を搭載した。

ポルシェ・タイプ60(1938年)
ポルシェ・タイプ60(1938年)

フォルクスワーゲン・バス(1949年)

ポルシェは商用バンには手を出さなかったため、レースのサポート車両は他社から調達していた。初代フォルクスワーゲン・バスは頑丈で安価、維持費も比較的安いため人気だった。ポルシェは積載量を増やすためにこの車両のルーフを高く改造し、オリジナルにはない独自のボディスタイルを生み出した。

フォルクスワーゲン・バス(1949年)
フォルクスワーゲン・バス(1949年)

ポルシェ550スパイダー(1953年)

ポルシェ550スパイダーはレース用に設計された。約540kgの車体に110psの水平対向4気筒エンジンを搭載し、1950年代のレースで大活躍を見せた。生産終了後も長年にわたり勝利を重ね続けた。

今日でもそのレースの血統は忘れられていないが、550スパイダーはレースよりもショービジネスと結びつけられることが多い。これは1955年に米国人俳優ジェームズ・ディーンが亡くなった事故との望まぬ関連性によるものだ。

ポルシェ550スパイダー(1953年)
ポルシェ550スパイダー(1953年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

発見! ポルシェ秘蔵のコレクションの前後関係

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