価格は約20億円? ブガッティ、1台限りのニューモデル『F.K.P.オマージュ』公開 目指すは「究極のヴェイロン」

公開 : 2026.01.26 11:45

ブガッティが新たなワンオフモデル『F.K.P.オマージュ』を公開しました。かつての『ヴェイロン』とVW元会長フェルディナント・ピエヒ氏へのオマージュであり、内外装を徹底的にこだわって仕上げています。

車名の由来はVWグループ元会長

ブガッティは、新たなワンオフモデル『F.K.P.オマージュ』を公開した。「究極のヴェイロン」を目指して開発されたという。

車名のF.K.P.とは、かつて量産車の最高速度記録を塗り替えたハイパーカー『ヴェイロン』の開発を主導したフォルクスワーゲン・グループ元会長フェルディナント・カール・ピエヒ氏に敬意を表したものだ。

『F.K.P.オマージュ』(左)と『ヴェイロン』(右)
『F.K.P.オマージュ』(左)と『ヴェイロン』(右)    ブガッティ

ベースは『シロン』で、レトロなデザインと現代的な要素を組み合わせ、強力なW16エンジンを搭載。ブガッティのビスポーク部門『ソリテール』が設計・製作した2台目の車両となる(1台目はブルイヤール)。

クワッドターボのW16エンジンは、シロン・スーパースポーツの1600psのユニットをベースに、冷却システムの強化、インタークーラーの改良、トランスミッションの補強が施されている。

F.K.P.オマージュのデザインは、2005年に登場し、2010年に最速記録を樹立したヴェイロン16.4から多くの要素を受け継いでいる。ブガッティのデザイン責任者フランク・ヘイル氏によれば、「あらゆる表面を洗練させ」、流線型のシルエットをさらに際立たせたという。

ヘイル氏は、「このクルマをデザインすることは大変な名誉であると同時に、大きな挑戦でもあります。アイコンのデザインに手を加えるなら、非常に慎重にならねばなりません」と述べている。

「わたしは世界各地の多くのコンクール・デレガンスの審査員を務めていますが、そこには『時代を正しく表現する(period correct)』という概念があります。『時代を正しく表現する』ことができていれば、それは本物となります」

「F.K.P.には、当時ブガッティが描いたテーマが反映されており、それによって正統性と真正性が生まれるのです」

ダッシュボードにはオーデマピゲ

馬蹄形のフロントグリルは立体的で直立した形状となり、L字型LEDヘッドライトと組み合わされることで「鋭い眼差し」を与えているという。

フロントの冷却用開口部はヴェイロンより大幅に拡大され、パワーアップしたW16エンジンへの空気流入量を増やしている。ヘイル氏は、前後で異なるサイズのホイール(フロント20インチ、リア21インチ)が装着されている点を指摘した。この設計はもともとヴェイロン向けに計画されていたが、最終的にはシロンに採用された。

『F.K.P.オマージュ』のインテリア
『F.K.P.オマージュ』のインテリア    ブガッティ

そしてヴェイロン同様、ツートーンカラーを採用。深みのある赤の塗装は高度な積層技術によって実現され、リアパネルはカーボンファイバーを露出させた仕上げだ。

F.K.P.オマージュを発注した匿名のオーナーは、自身の所有するヴェイロンに合わせて赤と黒を選んだというが、インテリアにも強いこだわりが見られる。

一枚のアルミパネルを機械加工して形成されたセンターコンソール、パリの企業が織り上げたファブリック、そして43mmのオーデマピゲの時計『ロイヤルオーク・トゥールビヨン』がはめ込まれている。ヘイル氏の説明では、この時計は自動巻きで、機械的な接続はなく、走行中の振動などで1時間に数回回転することで動力を維持する仕組みだという。

F.K.P.オマージュの価格は未公表だが、ブガッティの広報担当者は1000万ユーロ(約18億5000万円)を超えていることを認めた。これは2019年に製作された『ラ・ヴォチュール・ノワール』の1100万ユーロ(現在の為替で約20億円)と同等の価格となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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