油断は禁物! フォード・シエラ RSコスワース Gr.Aレーサーそのままの巨大ウイング ターボ! ブースト!(4)

公開 : 2026.02.22 17:50

生まれは40年近く前でも無駄ない姿勢制御

今回の車両は、フォード・マニアのクライヴ・マンズ氏がオーナー。24年前に購入し、現在の走行距離は16万5000km。エンジンはECUが書き換えられ、高性能なインジェクション・システムやステンレス製マフラーなどを組み、最高出力は300psだとか。

キャビンの人間工学は充分考えられており、当時のファミリーカーとして妥当なもの。座面は、少し高いかもしれない。

フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)
フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

アクセルペダルを踏み込んでも、加速は想像より穏やか。太いテールパイプから、低い響きが放たれる。右足の加減でウェイストゲートが鳴くが、タービンの悲鳴や吸気の唸りは聞こえない。エアボックスを省いた結果、吸気音が小さいとマンズは説明する。

乗り心地は硬め。反応が正確なパワーステアリングが、丁度良い重みを残している。既に40年近く前のモデルだが、無駄のない姿勢制御でカーブをフラットに抜ける。彼はニュルブルクリンクへ何度か遠征しているらしいが、そうしたい気持ちは理解できる。

2500rpmで勢い付く 酷く楽しいが油断は禁物

2500rpmを過ぎると、ギャレット・ターボが勢い付く。3000rpmからトルクが太くなり、速度上昇が鋭くなる。5000rpmへ達する頃には、リアウイングが役に立ちだす。

カーブへ飛び込めば、機敏な回頭性が気持良い。ボディロールを伴いつつ、中程を過ぎたら、ブーストを高めるべくフライング気味にアクセルオン。オーバーステアを誘い、調整するのは簡単。酷く楽しいが、油断は禁物だろう。

フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)
フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

この成功を受け、一層高度なRS 500コスワースが登場。アストン マーティン・ティックフォード社の協力を受け、500台が限定生産されている。そして4ドアのサファイアと、四輪駆動のRS コスワース4x4が、チューニング・シエラの有終の美を飾った。

協力:クライブ・マンズ氏、フォードRSオーナーズクラブ

フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万5950ポンド(新車時)/10万ポンド(約2100万円)以下(現在)
生産数:1653台
全長:4460mm
全幅:1730mm
全高:1380mm
最高速度:239km/h
0-97km/h加速:6.5秒
燃費:13.5km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1205kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc ターボチャージャー DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:203ps/6000rpm
最大トルク:28.2kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動

この続きは、2月28日公開予定のターボ! ブースト!(5)にて。

フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)
フォード・シエラ RSコスワース(1986~1987年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

UK編集部渾身!春のターボ祭りの前後関係

前後関係をもっとみる

ターボ! ブースト!の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事